第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演39群 看護職の心の働きとその対処③

2023年11月9日(木) 10:30 〜 11:30 第9会場 (G316+G317)

座長:石川 紀子

[口演Y-39-2] 地域包括ケア病棟におけるスタッフのモチベーションの実態調査

二川 裕子, 平井 志乃扶, 堀 夏希 (かみいち総合病院)

キーワード:地域包括ケア病棟、モチベーション、マネジメント

【目的】A 病院は、在宅療養支援病院として地域と密着した医療を提供している。B 病棟は、産科が並列された地域包括ケア病棟となり、勤務体系が変更となった。複数の疾患を抱えた高齢患者や、妊産婦、新生児などに対する知識や技術が求められるようになり幅広いケアを行わなければならない現状となった。スタッフからは、モチベーションが低下したという意見があり、モチベーションの実態を把握し、質の高い看護サービスの提供を行うことで、患者満足度向上に繋げたいと考え、この研究に取り組んだ。【方法】A 病院のB 病棟スタッフ20 名を対象とし、無記名モチベータ診断表調査を配布、回収した。個人情報が漏洩することがないようにアンケート結果は研究の目的以外には使用しないこと、データ管理は記号化し個人が特定できないようにした。【結果】モチベータ診断表は、回収率95%であり、モチベータ診断の8 項目(20 点満点)社会貢献14.2 点、成長欲求13.2 点、専門性志向12.7 点、リーダーシップ11.3 点、承認欲求11.7 点、協調志向13.8 点、手順・ルール13.7 点、ワークライフバランス思考(以下WBL 思考)14.3 点のうち、最も点数が高かったのは、WLB 思考であり、次いで社会貢献であった。一方で、リーダーシップが一番低く、次いで承認欲求であった。【考察】B 病棟では、病棟編成に伴う、多様な勤務体系整備により仕事とプライベートのバランスが取れ、WLB 思考が最も高くなったと考える。社会貢献では、、生死を同時に経験する特殊な病棟であり、在宅療養支援病院として地域や人に貢献できているという達成感と考える。一方で、能力や価値を適切に評価されていないと感じているスタッフが多いことが承認欲求の低下となり、期待、信頼を伝えることで、承認欲求を満たすことに繋がると考える。また、リーダーシップにおいては、チーム内で自分の考えや進め方を活かせず、メンバーをうまく、まとめられないチーム運営志向が低いスタッフが多いことが分かった。相談できる環境を調整し、実践教育の中で、評価、フィードバックすることが必要であると考える。今回の実態調査だけでは、モチベーションの変化が分からないため、質の高い看護サービスを提供し、患者満足度に繋げるために、縦断研究を行い、看護師のモチベーションマネジメントを継続する必要があると考える。