[口演Y-4-5] 回復期リハビリテーション病院に入院している患者のやる気を高める関わり
―意欲減退した患者のやる気を高める看護―
Keywords:回復期リハ、長期入院、メンタルヘルス、自己効力感、やる気スコア
【目的】新型コロナウイルス感染症拡大に伴い多くの病院で家族との面会が制限されているのが現状である。筑波大学医療系医療チームの研究によると、新型コロナウイルスによるストレスを8割の方が感じている事が分かった。A病院は急性期を脱し在宅復帰を目指す回復期にあたる。面会制限で不安やストレスを感じている患者がやる気を高める援助を通して、意欲向上に繋げられるのかを明らかにする。【方法】期間:2022年10月~12月、場所:A病院B病棟、対象:意思疎通の可能な整形疾患患者1名、研究デザイン:記述的研究、データ収集方法:看護記録、リハビリ記録、10日毎のやる気スコア。データ分析方法:10日毎のやる気スコア。やる気スコアとは、14項目の質問により、0(全く違う)、1(少し)、2(かなり)、3(まさに)と4つの回答により合計点を算出する。0点~42点で16点以上でやる気の低下があると判定される。本研究は、対象者に対して本研究の趣旨、研究への参加は自由意思であること、匿名性の保持、辞退の自由、それに伴う不利益は一切生じないことについて文書を用い説明し、同意を得た。【結果】入院時、やる気スコア20点。通常通りの関わりをして10日間経過をみた。2回目の評価はスコア22点と横ばいであった。そこで10日ごとの実現可能な範囲の目標を本人と決め実施。3回目評価時、患者より目標達成に関して前向きな発言がみられたものの、スコア22点と2回目と変わらず経過。成功体験を通し、自己効力感の向上を図った。目標を達成できた場合は目標管理シートにシールを貼り可視化して意識付けできるように関わった。4回目評価時スコア20点、ケアに対する協力動作が得られるようになった。5回目評価時同室患者にコロナ陽性者が出たことでスコアは顕著に低下し35点であった。隔離解除になり、6回目評価時スタッフの関わりが戻った最終スコアは14点と意欲低下状態ではないと判断できた。【考察】患者と実現可能な範囲の目標を設定し、目標達成を繰り返すことで成功体験となり自己効力感が高められたと考えられる。研究期間に、コロナの影響で自室隔離期間があり、感染拡大防止のため必要最低限の関わりになった。隔離前やる気スコア20点が、解除後35点と大幅に低下したが最終スコアは14点と大幅な向上がみられた。成功体験・可視化することで意欲向上へ繋がった結果になった。