第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演40群 基礎教育①

2023年11月9日(木) 13:15 〜 14:15 第9会場 (G316+G317)

座長:田草川 純子

[口演Y-40-1] A大学の学内演習に参加した実習指導者の認識の変化

―看護学生へのイメージや思いの変化―

田渕 美也子1, 高杉 景子1, 笠松 由利2, 熊谷 桂子2 (1.市立東大阪医療センター, 2.大手前大学国際看護学部看護学科)

キーワード:学内演習、実習指導者、認識の変化

【目的】A 大学の学内演習に参加した実習指導者の看護学生への認識の変化を明らかにすることである。【方法】A 大学の学内演習に参加した実習指導者14 名を対象に、参加前後に自記式質問紙を用いて調査を実施した。調査内容は対象者の基本属性の他、実習指導に対する関心と自信、看護学生へのイメージや思い、実習指導へのイメージや思いであった。対象者の属性については、単純集計を実施した。実習に関する関心・自信については、記述統計を実施した。演習参加前後の実習に関する関心・自信の違いについては、分析ソフトSPSS Ver.27 を用いてWillcoxon 符号付き順位検定を実施し、有意水準をp < 0.05 と設定した。イメージや思いの自由記述については、KH Corder Version3. Beta.07b を用いて頻出語と共起ネットワーク分析を行い、演習参加前後での看護学生への認識の変化を確認した。対象者には、演習参加前に研究の目的、方法等について文書と口頭で説明し、研究の途中であっても辞退が可能で、それによる不利益を受けないことを説明し保証した。また個人が特定されないよう質問紙は無記名でID により前後比較を行った。【結果】調査への回答は、14 名であった(回収率100%)。実習指導経験は3 年未満が7 名、3 ~ 5 年未満が2 名、10 ~ 20 年未満が3 名、20 年以上が2 名であった。実習指導への関心と自信については、演習参加前後で有意差はなかった。演習参加前に頻出していた「コミュニケーション」「コミュニケーション能力」「コロナ禍」「姿勢」「怒る」「反応」「乏しい」の出現回数は、演習参加後に減少していた。一方、「出来る」「看護」「学ぶ」の単語が演習参加後に増加し、「参加」「積極的」「分かる」「楽しい」「環境」「緊張」「変わる」の単語が新しく出現していた。演習参加前は「実習」「コロナ禍」に「指導者」「行う」「乏しい」「怒る」が結びついており、コロナ禍の実習は「コミュニケーション能力」に影響を与えているイメージが抽出された。演習参加後は「出来る」「必要」「コミュニケーション」「実際」に共起関係があり、「環境」が影響していることをイメージしていた.また「緊張」「受ける」「講義」「積極的」に強い共起関係があり、臨地での緊張と「行動」の関係の様相が示された。【考察】実習指導者は、学内演習に参加する経験を通して、看護学生のコミュニケーション能力が、コロナ禍の影響よりも学びの環境に影響を受けていると認識を変化させていた。