[口演Y-40-2] A大学の学内演習に参加した実習指導者の認識の変化(第2報)
―実習指導へのイメージや思いの変化―
キーワード:学内演習、実習指導者、認識の変化
【目的】A 大学の学内演習に参加した実習指導者の、実習指導に対する認識の変化を明らかにすることである。【方法】A 大学の学内演習に参加した実習指導者14 名を対象に、参加前後に自記式質問紙を用いて調査を実施した。調査内容は対象者の基本属性、実習指導に対する関心と自信、看護学生へのイメージや思い、実習指導へのイメージや思いであった。対象者の属性については単純集計を、実習に関する関心・自信については記述統計を実施し、演習参加前後の実習に関する関心・自信の違いについてはSPSSⓇ Ver.27 を用いてWillcoxon 符号付き順位検定を実施し、有意水準をp < 0.05 と設定した。イメージや思いの自由記述はKH Corder Version3. Beta.07b を用いて頻出語と共起ネットワーク分析を行い、参加前後での実習指導への認識の変化を確認した。研究目的、方法について文書と口頭で説明し、研究途中でも辞退可能で不利益を受けないことを保証した。質問紙は無記名でID により前後比較を行った。【結果】回答者は14 名であった(回収率100%)。実習指導経験は3 年未満が7 名、3 ~ 5 年未満が2 名、10 ~ 20 年未満が3 名、20 年以上が2 名であった。実習指導への関心と自信については演習参加前後で有意差はなかった。参加前に頻出していた「経験」「不安」「大変」は参加後に減少し、「理解」は増加した。参加後に新しく出現した語は「必要」「演習」「臨地」等の13 語であった。参加前、指導者は「実習」「環境」を整え、学生の「思い」を受けとめ「看護」が「楽しい」「印象」を与えようと「経験」を増やし、「関わり」から学びを「得る」イメージをもっていた。一方、指導は兼任「業務」で、「教員」の思いや学生の能力により「異なる」ため「難しい」「大変」、指導への「不安」も抽出された。参加後は、指導が「楽しい」、学生と「関わる」中で指導「方法」を「活用」したい思い、「教員」の指導を「実際」に「学ぶ」ことで学生を受け入れる「雰囲気」をイメージしていた。目標「達成」に向けた指導、学生「理解」は「難しい」が「大切」にしたい、「臨地」で「教える」「伝える」ための「知識」、「患者」選択と理解が「必要」、とのイメージが抽出された。【考察】実習指導者は学内演習参加を通して、学生に応じた指導方法と臨地での受け入れ方の認識を変化させていた。