[口演Y-42-3] 臨床看護教員の配置による効果
―新人看護師の不安の軽減と離職率低下の一助になりえたか―
キーワード：臨床看護教員、新人看護師の不安軽減、離職率
【目的】2022 年から、A 病院では所属施設の看護学校と連携し、カリキュラムの全体像を把握している専任教員を臨床看護教員として配置し、臨床での教育と実践支援を行っている。定期的な面談と日々のラウンドで声掛けを行い日常的な精神的サポートを担っている。本研究では、臨床看護教員による新人看護師の安心感やストレス軽減を得る関わりの効果と離職率への影響を明らかにする。【方法】研究対象者：A 病院2022 年入職の新人看護師39 名。データ収集期間：2023 年5 月10 日～ 14 日データ収集方法及び分析方法：臨床看護教員の配置に関し、①安心感への繋がりの程度とそう思った理由②どのような存在か③辞めたいと思った回数と相談し解決に至った相手などについてWeb アンケートを実施。得られたデータを単純集計、自由記載を記述統計（カテゴリー分類、テキストマイニングby userlocal.jp で分析）倫理的配慮：アンケート参加は自由意志、無記名とし、研究の概要および意義を説明し研究の同意を得た。本研究により不利益が生じる危険性はない事を伝えた。（研究倫理審査会承認番号NCR23-29）【結果】アンケート回収率94％（37 名）1．臨床看護教員の関わりについて97％が「安心感に繋がった」と回答した。2．安心感の理由の自由記載から77 のコードと19 のサブカテゴリーが抽出された。さらに6 つのカテゴリー「定期的に面談を行い、把握してくれる」「日常的な関わりから相談しやすい」「自分の事を理解してくれている」「俯瞰的に見てくれる」「アドバイスをくれる」「見守ってくれる」が抽出された。3. 臨床看護教員の存在に対する自由記載をテキストマイニングで単語頻度分析した結果「話しやすい」「心強い」「安心感」等が抽出された。4．辞めたいと思った回数1 ～ 2 回群は18％、3 回以上群は56％が臨床看護教員を相談相手として選択し解決していた。【考察】単純集計と自由回答から抽出された6 つのカテゴリーから、臨床看護教員の関わりは新人看護師にとって安心感に繋がった事が明確となった。また、彼らにとって「話しやすく心強い」存在としての臨床看護教員は、離職を考える時の良き相談相手として機能し、一歩先に進む原動力となったと考える。新人看護師サポートに臨床看護教員が増えた事は同期や部署スタッフとは違う安全基地となり、離職率低下の一助となり得たと考える。