第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演45群 継続教育③

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM 第10会場 (G318)

座長:飯田 結花

[口演Y-45-2] 一般病棟における看護師の呼吸回数測定の現状調査

浦野 晴美, 宮迫 沙耶香, 福田 祐美子, 河村 隆之, 吉田 小百合 (広島大学病院)

Keywords:呼吸回数、教育支援、一般病棟、特定機能病院

【目的】呼吸回数と急変予兆に関連があることが複数報告され重要視されている。一方で呼吸回数の未記載が多いと報告があるが、省略される要因を検討する先行研究は少ない。そこで、一般病棟における看護師の呼吸回数測定の現状を調査し、呼吸回数測定に影響する要因と課題を明らかにし、教育支援の示唆を得る。【方法】対象:A 病院の一般病棟に勤務している看護師。内容:基本属性及び呼吸回数測定に関する情報の先行研究を基に独自のアンケートを作成した。収集方法:無記名自己式質問紙調査票とし留置、回収を行った。分析方法:看護師経験年数、経験した診療科数はSpearman の順位相関係数、ラダーレベルはKruskal-Wallis 検定を行った。またクリティカル領域経験の有無など7 項目はMann-WhitneyU 検定を行った。なお、統計解析はIBM SPSS Statistics Version 21 を使用し、有意水準は5%未満とした。個人が特定されないようにデータ化して処理した。倫理的配慮:本研究は看護部倫理調査委員会にて審査され承認を得た後に実施した。【結果】一般病棟に勤務している看護師410 名に質問紙を配布し308 名より回答を得た(回収率75.1%)。クリティカル領域の経験では「呼吸回数を測定する」など5 項目、救急看護に関連した資格では「呼吸回数を測定しないことに疑問に思わない風習がある」の1 項目、99 コールの経験では「呼吸回数は自動的に測定する機器がないため測定しない」など3 項目、学生時代における呼吸回数測定の理論的根拠の学習経験では「看護実習の時は呼吸回数を測定していた」など2 項目、部署異動の経験では「忙しい状況では呼吸回数の測定を省く」など7 項目で有意な差がみられた。【考察】一般病棟のみの経験者は生命の危機状態にある患者に触れることや急変に遭遇する経験が少なく、呼吸回数について集中的に指導されていないため、呼吸回数測定に意義を見い出せずに業務を優先し、自動で測定できない面倒な呼吸回数の測定を省いている傾向が示唆された。また、医療機器で測定できるバイタルサインで患者をみている、それが現場で習慣化されていることなどが示唆された。クリティカル領域への部署異動、救急看護に関連した資格取得、急変事例の振り返り、指導者への教育、機会教育などの教育支援をすることが呼吸回数測定への行動に繋がる。