第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演45群 継続教育③

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM 第10会場 (G318)

座長:飯田 結花

[口演Y-45-5] 看護師長と副看護師長のキーコンピテンシーの比較

―A病院の実態と副看護師長の効果的なキーコンピテンシー獲得に向けて―

伴野 理恵, 安部 久子, 望月 真寿美 (市立甲府病院)

Keywords:キーコンピテンシー、看護師長、副看護師長

【目的】看護師長と副看護師長のキーコンピテンシー獲得状況を比較し、副看護師長の効果的なキーコンピテンシー獲得に向けての示唆を得る。【方法】A 病院の看護師長13 名、副看護師長24 名に「看護管理者のキーコンピテンシー尺度(KCSNM)」に回答してもらった。KCSNM はt 検定をし、有意水準5%未満とした。質問紙は無記名とし、参加しなかった場合でも不利益がないことなどを記載した。【結果】看護師長、副看護師長とでKCSNM を比較したところ、「8.患者・家族からの多少の理不尽な要求でも、冷静に対応している」、「13.目標達成のために、自分に求められている役割や仕事の内容が具体的にイメージできる」、「19.部下のキャリアプランを共有し、必要と考えられる研修を積極的に受講させている」、「20.部下のキャリアプランを確認している」、「28.目標達成のための戦略や手段を整理し、優先順位を決定している」、「30.状況が変化した場合の代替の対策を立てている」の6 項目で有意差がみられた。【考察】患者・家族の理不尽な要求の対応に関して有意差がみられたのは、部署の責任者である看護師長が対応することが多いためと考える。しかし副看護師長が看護師長業務を代行することもあるため、部署の特徴や問題点等をよく理解・把握し、起こりそうな事象や要求に対しての問題解決手段を自分の中に備えておくことが必要である。また副看護師長は役割や立場が不明瞭なまま手探りで行動しており「自分に求められている役割や仕事の内容が具体的にイメージ」できいてない現状があるため、メンターとなる看護師長からの支援を得たり、ファーストレベルを受講したりすることで自身のキャリアビジョンや役割の明確化、自己管理の促進をしていく必要がある。部下のキャリアプランに関して有意差がみられたのは、副看護師長のキャリア支援が臨床業務を遂行するための知識や技術、経験の習得に重点が置かれているためだと考えられる。そのためスタッフ面接などを通して、スタッフが望む看護師像やキャリアアッププランを把握し、長期的なキャリア支援をしていく視点をもつことが必要である。意思決定に関しては、部署運営に関した自分のビジョンを持つという認識が看護師長と比較して低いことが有意差の原因ではないかと思われるため、実際の部署運営のサポートをしていくことで、運営の一端を担っているという責任と認識、自信を養うことが必要である。