第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演47群 継続教育⑤

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM 第11会場 (G319)

座長:西村 実希子

[口演Y-47-1] 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程における患者体験演習の効果

―修了生へのアンケート結果から―

堀岡 美由紀 (国立障害者リハビリテーションセンター学院脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程)

Keywords:患者体験演習、患者理解、生活再構築、認定看護師

【目的】脳卒中リハビリテーション看護認定看護師(以下認定看護師という)教育課程で受講した、患者や家族の目線に立った支援ができるための患者体験演習(以下演習という)が認定看護師活動にどのような効果を発揮しているかを知ることである。【方法】A センターの教育課程を修了した認定看護師のうち、演習を研修中に受講した54 名に対し、郵送によるアンケート調査を行った。自由意志での参加、個人情報保護等を記載した研究説明書と同意文書、アンケート用紙を同封し、同意文書の記入をもって、調査協力の同意とした。質問項目は日本看護協会が提示した「認定看護師に期待される能力」とし、「1 点:影響を受けなかった」から「5 点:大いに多いに影響を受けた」の5 段階の順位尺度で回答を得た。また、最も影響を受けた演習項目を選択し、その理由と演習全体の感想を自由記載とした。自由記載の内容は、質的に分析しコード化、意味内容の類似性に従って帰納的に分類した。尚、演習はいずれも片麻痺をイメージした4 種である。(①階段昇降、② ADL 室での一連の生活動作、③調理動作、④短下肢装具作成実習の患者役)。【結果】最も影響を受けた項目は、「脳卒中患者の急性期・回復期・生活期において、一貫した生活再構築のプロセス管理とセルフケア能力を高めるための計画的な回復支援を行う(以下回復支援という)」で4.5 点であった。最も影響を受けた演習は、「② ADL 室での一連の生活動作」が、最も多かった。その理由を分類すると〈片麻痺患者の思いや生活の困難さのイメージ〉〈生活者としての視点〉〈患者体験演習を活かした実践・指導〉の3 つのカテゴリーが形成された。【考察】ADL 室での一連の生活動作の演習を選択した理由に、「1つ1つの行動にも時間がかかり、麻痺がありながらの生活支援という視点の考えが大きく変わった」という意見があった。演習中に心を揺さぶられるような気づきがあり、講義などで得た知識と統合することで〈片麻痺患者の思いや生活の困難さのイメージ〉や〈生活者としての視点〉をより深く実感し理解できた。それが〈患者体験演習を活かした実践・指導〉につながった。さらには、認定看護師に期待される能力の「回復支援」にも影響を与えたと考える。【結論】認定看護師にとって、演習は、片麻痺での日常生活動作の困難さなどの患者理解や生活者としての視点の理解の促進に効果があった。