第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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口演

口演47群 継続教育⑤

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM 第11会場 (G319)

座長:西村 実希子

[口演Y-47-2] 教育委員への支援を目的とした教育担当会議の活動から得られた効果と課題

―半構造化面接から明らかとなったこと―

藤原 望美1, 柳川 明子1, 小林 妙子1, 庄村 雅子2 (1.厚木市立病院, 2.東海大学医学部看護学科)

Keywords:教育委員、教育担当会議、看護教育担当、継続教育

【目的】看護師に対する病棟及び集合教育を担う教育委員への支援のため、2021 年度から教育担当会議の活動内容に講義・グループワーク・e-learning 動画視聴などを取り入れた。本研究は、教育担当会議の活動が教育委員に、どのように役立てられたかを明らかにし、教育委員への支援や教育担当会議が効果的な運営となるような示唆を得ることを目的とした。【方法】質的帰納的研究デザインにより、同意が得られたA病院の教育委員を対象に、2022 年8 月~ 10 月に調査を行った。質問紙により属性を尋ね、インタビューガイドを用いた半構造化面接により教育担当会議の効果や委員としての困難等を調査した。分析は、質問紙のデータ解析には表計算ソフト「Microsoft Excel2013」を用い、平均値と標準偏差を算出した。面接法の記述データは、逐語録を作成し、コードからカテゴリーへと抽象度を高め質的帰納的に分析した。本研究はA病院の看護研究倫理審査会の承認を得たのち実施した。対象者には口頭と書面で、研究参加への自由意思・同意撤回の権利の尊重、同意の得られたデータを分析すること、データの厳重管理と本研究以外での不使用及び個人情報の厳守を説明し、同意を得た。【結果】同意が得られた対象者9 名から回答を得た。教育委員経験年数は平均1.9 年(±標準偏差0.8)であった。245 コード、52 サブカテゴリー(<>で示す)、11 カテゴリー(≪≫で示す)が導き出された。教育担当会議を通して得られた効果として≪会議で得た知識を自部署で実践した≫、≪委員参加型の会議運営を通して得られた満足感≫、≪会議や教育活動を通して得られた前向きな変化≫、≪自分の自信に繋がった≫の4 カテゴリーが抽出された。明らかとなった課題として<研修担当と部署の教育委員との連携の難しさ>他2 サブカテゴリーから、≪教育担当会議の活動内容の難しさ≫の1 カテゴリーが抽出された。【考察】≪会議で得た知識を自部署で実践した≫などの4 カテゴリーから、教育担当会議が学習の場、ロールモデルとなり、教育委員が主体的に参加できたことが自部署での教育活動に役立てられ効果を挙げた可能性が示唆された。一方で≪教育担当会議の活動内容の難しさ≫からは、集合研修に関する意見交換が十分に行えていなかった現状も表され、教育担当会議内での分散教育と集合研修の連携を増すことが重要といえた。