第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

Presentation information

口演

口演47群 継続教育⑤

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM 第11会場 (G319)

座長:西村 実希子

[口演Y-47-3] off-JTとOJTの連動の実態調査と継続教育における支援プログラムの検討

―倫理教育研修に焦点をあてて―

宮石 晶江, 曽山 小百合, 古賀 瞳 (富永病院)

Keywords:継続教育、教育委員会、Off-JT、OJT、スパイラル学習

【目的】A病院では、教育委員会が主催する研修を受講した看護師が実践に活かせているか実態調査をすることで、On the Job Training(以下OJT)との連動における問題点を明確にし、効果的なスパイラル学習を目指し、それぞれの活動内容の具体化と継続教育における支援プログラムの検討を考えた。【方法】2014~2021年度に教育委員会がOff the Job Training(以下off-JT)で実施した倫理教育研修を受講した看護師165名。2022年8~9月、研修の理解度とOJTに関して単一回答と複数回答と記述を組み合わせた独自の無記名自記式Webアンケートを実施した。経験年数による差異を調査する為に、集計結果は、ステージ1(経験2年以下)とステージ2以上(経験3年以上)の2群に分類し、フィッシャーの正確確率統計を行った。回答は自由意思であること、不参加による不利益が生じないことを記載し、回答をもって同意とした。A病院の倫理審査と承認を得て実施した。【結果】回答者は108名(回収率65.5%)、有効回答率100%であった。有意水準5%とし「研修の目的や目標の理解度」「受講後の満足度」「内容の理解度」において、ステージの違いによる有意差はなかった。「研修受講後に倫理的な場面に直面したことがある」84.3%。倫理的な場面に直面した看護師の中で、解決策の内容に有意差はなく、「誰かに相談した」74.7%、「倫理カンファレンスの提案を行った」24.2%。また「具体的な取り組みはしていない」59.3%で、その理由に有意差はなく、「取り組みをした方が良いと感じていたが、その方法がわからなかった」75%、「取り組みをする必要性は感じていたが行動をしなかった」34.4%であった。【考察】A病院では、看護師のステージに合わせた倫理教育研修を開催したことで、目的や目標、内容の理解に経験年数の差はなかったが、行動変容する為のOJTが課題であることが明確となった。まずは、学習成果を現場でフィードバックするという基本行動の定着の為に、off-JTは受講生が実践できる具体的行動計画を立案できる研修を企画し学習効果を上げることが必要である。また「エビングハウスの忘却曲線」を活用し、受講生が具体的行動計画を実践するシステムを確立していくことで、OJTにおける継続学習の支援ができると考える。