第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演49群 DiNQLを活用した看護の質向上②

2023年11月9日(木) 14:30 〜 15:30 第11会場 (G319)

座長:髙橋 陽子

[口演Y-49-3] 看護師役職者の育成におけるDiNQLのデータ活用勉強会を実施したことによる変化

原 美香 (戸田中央総合病院)

キーワード:看護師管理職、目標管理、DiNQL

【背景】
当院はDiNQL 事業に参加して以降、病棟目標管理・スタッフ目標管理に活用ができていなかいことが現状の課題であった。そこで、看護師や介護福祉士資格を持つ看護補助者のデータを用いたマネジメントが必要な中間管理職に対し、DiNQLのデータ活用をできるために学びの場が必要と考えた。
【取組み内容】
2022 年10 月に日本看護協会ラダーⅢ、Ⅳ以上の看護師・介護福祉士資格を持つ看護補助者36 名に対し、施設内で必要なデータの活用方法を学ぶ勉強会をオンラインにて実施した。内容はDiNQL を活用した具体的方法の取り組み事例提示した後、本人たちに実際に問題ととらえていることに対し、データで可視化してもらう作業を実施してもらった。勉強会終了後、倫理的配慮として、本人が特定されず研究以外にデータが使用されない事、いつでも参加の撤回でき不利益がない事を説明する。
【結果・成果】
勉強会終了後のアンケート結果より、現場で活用ができそうという回答が50%、一部を活用できるが25%、活用できそうな気がするが25%回答していた。自由意見では、前向きな意見のカテゴリーでは、「可視化する、数値化するが理解できた」「意識が変化した」「今後DiNQL を活用して計画に取り入れる」が抽出できた。ネガティブな意見の中では、「目標管理の際に、数値をどのように結び付けるかわからない」「DiNQL は苦手」の項目が抽出できた。その後、7 か月後に受講者にDiNQL 結果を活用しているか確認したところ、部署目標の活動成果にDiNQL 結果を活用しているなど行動変容につながっていることがわかった。これはDiNQL の認識は低い傾向であったが、勉強会で具体的な活用方法を説明したことにより、認知が向上できたと考える。また、DiNQLを活用し問題抽出や計画立案を指導したことにより、データマネジメントを苦手とする方に対しても、活用方法の知識を提供できたのではないかと考える。
【今後への示唆】
今回は受講希望者であったため、今後はすべての看護管理者にデータマネジメントを指導し、目指す行動に対し、DiNQLを用いた看護の質の可視化してもらうことが今後の目標と考える。

DiNQL 関連演題の抄録については、商標登録は省略しています。