[ポスターY-1-4] A病院の新人看護師が認識する職場での心理的安全性の構成要素
Keywords:心理的安全性、新人看護師、職場
【目的】A 病院の新人看護師が認識する心理的安全性の構成要素を明らかにすることである。【方法】1. 研究デザイン:質的帰納的研究。2. 研究対象:2022 年A 病院の一般病棟で働く1 ~ 2 年目の看護師のうち同意が得られた10 名を対象とした。3. データ収集期間:2022 年9 月~ 2022 年10 月。4. データ収集方法:心理的安全性を損なう4 つの不安を参照してインタビューガイドを作成し、インタビューを実施した。5. データ分析方法:インタビューデータから逐語録を作成し、心理的安全性について語られた部分をコード化し、質的帰納的に分析した。データは複数名で確認し、分析過程でスーパーバイズを受け信頼性や妥当性の確保に努めた。6. 倫理的配慮:文書と口頭で、自律性に基づく参加と撤回やインタビュー内容の守秘義務について説明した。【結果】A 病院の新人看護師が認識する心理的安全性の要素は、197 コード、48 サブカテゴリー、17 カテゴリー、3 コアカテゴリーに集約された。≪病棟環境≫は、〔忙しい病棟全体の雰囲気〕〔交流できる病棟の雰囲気〕〔指導に関する病棟全体の隠れたルール〕などであった。≪先輩看護師の特性≫は、〔新人看護師が身近に感じられる属性〕〔指導看護師の受容的な態度〕〔指導看護師のリードにより成り立つ関係性〕〔指導者から発せられるネガティブなメッセージや態度〕〔新人看護師が緊張する属性〕などであった。≪新人看護師の特性≫は、〔新人看護師の自己肯定感〕〔他者を不快にさせたくないという思い〕〔看護師としての責務〕〔新人看護師の工夫〕などであった。【考察】新人看護師は、〔忙しい病棟全体の雰囲気〕や〔指導に関する病棟全体の隠れたルール〕、〔新人看護師が緊張する属性〕、〔他者を不快にさせたくないという思い〕により、心理的安全性を損なうと認識している。また、〔看護師としての責務〕を果たすため、〔新人看護師の工夫〕により新人看護師も心理的安全性を高めようとしていると考えられた。一方で、〔新人看護師の自己肯定感〕が高く、〔新人看護師が身近に感じられる属性〕や〔指導看護師の受容的な態度〕は、心理的安全性があると認識している。そのような職場環境とするためには、心理的安全性は〔指導看護師のリードにより成り立つ関係性〕であることを踏まえ〔交流できる病棟の雰囲気〕を作ることが求められる。