第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター1群 ワークエンゲージメントを高める①

2023年11月8日(水) 10:30 〜 11:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:本田 万里子

[ポスターY-1-5] 心理的安全性を高めるために看護管理者がすべきこと

高須 久美子1, 大西 尚子2, 和栗 裕子3 (1.美杉会グループ, 2.男山病院, 3.みのやま病院)

キーワード:1on1ミーティング、心理的安全性、人材開発、看護職員の確保定着

【目的】A法人グループにおける看護部師長会は2022年度より心理的安全性を高めるために1on1ミーティング(以下1on1と略す)の活用に取り組んできた。そこで、実際に行った1on1の検証および心理的安全性を高めるために看護管理者が取り組むべきことを明らかにする。【方法】研究期間:2022年11月から2023年5月。対象:A法人グループの看護師長会参加者(看護部長5名、看護師長等28名)研究方法:1on1および心理的安全性についてGoogleアンケート調査を実施し単純集計を行なった。看護部長を対象に心理的安全性に関して質問紙を用いて半構造化インタビュー調査を実施、得たデータはコード化しカテゴリー化した。倫理的配慮:看護研究における倫理指針等を遵守し、A法人グループの倫理審査委員会にて承認を得た。【結果】1on1は28名中21名から回答を得た。テーマは多岐にわたり、お互いを尊重し合い、思っていることを聞き出すことで育成、離職防止、資格取得につながり、部署内での改善、働き方改革に結び付けていた。心理的安全性の取り組みアンケートでは、25名から回答を得た。前後比較を行ない1on1未実施部署では実施後「問題解決に関する指摘がしあえるようになった」、「メンバー間の支援が得られるようになった」など変化が見られた。これら結果を踏まえ5名の看護部長にインタビュー調査を行なった。心理的安全性を高める取り組みとして1on1を意識して話を聞く、電話で済まさず現場へ足を運ぶ、相手を尊重し受け入れる、会議等、発言しづらい人から話を聞く配慮、面談後にポイントを整理し次に備える、コーチングやティーチングを上手く使い分けるなどの結果を得た。心理的安全性がもたらす効果としては、育成、キャリア、離職防止、職場環境の改善を挙げていた。【考察】看護管理者としてすべきことは、心理的安全性を理解した上で、承認、相互信頼、肯定的関心を持つこと、1on1を継続的に取り組むことである。心理的安全性が高まればだれもが安心して発言でき、改善など変化への適応力が高い組織となり、パフォーマンスも向上する。しかし、これを高める要素は1on1だけでない。看護管理者が心理的安全性を理解するとともに、鍵となり意識的な働きかけを行う必要がある。これが離職防止、看護職員の確保定着につながり、質の高い看護の提供にもつながる。