[ポスターY-10-4] 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う面会制限下での患者家族のニーズ
―不安を軽減するために看護師に求めること―
キーワード:小児、面会制限、家族、ニーズ
【目的】面会制限下での患者家族のニーズを明らかにすることで、患者家族の不安を軽減させる看護につなげる。【方法】1. 研究デザイン:質問紙法による量的研究 2. 研究期間:2022 年4 月~ 2023 年3 月 3. 研究対象:付き添いをしていない就学児以上(小学1 年生から中学3 年生)の患者家族 4. 調査方法:退院時に質問紙を配布し回収箱に入れてもらった。12 の質問項目ごとに「大変重要」から「重要でない」の4 段階で選択してもらい点数化してニーズの高い項目を算出した。面会時間の長さ(10 分間)について「長い」「ちょうどよい」「短い」の3 段階で選択してもらい割合を算出した。5. 倫理的配慮:研究への協力は自由意志に基づくものであり、調査に協力しなくても診療上不利益にならないことを書面に明記して説明した。【結果】回収数:25 人、回収率:78.1%、学年内訳は小学1 ~ 3 年生が8 人、小学4 ~ 6 年生が8 人、中学生が7 人であった。面会制限下でのニーズについて、全体平均で最も高い点数の項目は「症状の経過を知ることができる」の3.73 点/ 4 点、次いで「治療の内容を知ることができる」「面会時に主治医と直接話すことができる」の3.66 点/4 点であった。また、学年区分別の結果で特徴的な点として「1日の様子を知ることができる」「実施したケアの内容を知ることができる」は小学1 ~ 3 年生では3.83 点/ 4 点と、他学年より高いニーズとなった。面会時間については全体の70%が「短い」と回答しており「子どもなのでせめて30 分くらい時間がほしい」「夜間の面会も認めてほしい」の意見があった。【考察】全体上位3 項目のニーズから、病状や治療内容など、疾患に関する情報のニーズが高いことが分かった。角田ら、2010 によると「母親は子どもの病気や成長発達の見通しが分からず、病気の知識や情報の統合性が不十分である」としており、看護師の役割として、医師と家族が直接話せる場を設けることや、家族の意向を医師に伝えることが重要だと考えられた。小学1 ~ 3 年生で高かったニーズから、1 日の様子やケアの内容など、看護師の関わりから得られる情報のニーズが高いことが考えられた。面会時間が短いと感じる家族が多いことからも不安が生じていると考えられた。以上より、面会制限下での患者家族の不安を軽減できるよう、発達段階やニーズに応じて情報提供を行う重要性が示唆された。