[ポスターY-11-2] 感染症指定病院に入職した3年目看護師のストレスコーピング行動と必要な支援
Keywords:ストレスコーピング、コロナ禍、卒後3年目
【目的】コロナ禍に入職した3 年目看護師は新人研修を受けずに病棟へ配属となり業務を行っている。予定されていた研修や行事なども中止となり、同期同士の繋がりが少ない状態で仕事での悩みを相談できる相手も少ない。今回の研究を通して3 年目看護師の抱える思いを明らかにし、先輩看護師にも理解してもらうことで精神面での支援体制を整えること、後輩育成の参考としていきたい。【方法】対象はA 病院の一般病棟(計8 病棟)に勤務する既卒を省く9 名を対象とし、データ収集はインタビュー形式にて実施。インタビュー内容から逐語録を作成し基本データとした。コード化、サブカテゴリー化、カテゴリー化に分類し分析した。《倫理的配慮》対象病棟の看護管理者には研究概要の意義、プライバシーの保護、調査への参加や回答は自由意志によるものであること、参加拒否により不利益を被ることはないこと、研究目的以外にデータを用いないこと、分析公表後にはデータ破棄することを文書にて明記し伝え、研究対象者にも同様の内容を文書にて説明し、書面で同意を得る。【結果】全対象者のデータから40 個のコードが抽出できた。それらの類似性を検討した結果、17 個のサブカテゴリーが得られた。さらに分析した結果、〈コロナ禍による集団での学びの減少〉〈通常業務以外での働き方〉〈新型感染症による不安感と業務の複雑化〉〈同じ境遇を持つ仲間と支え合うことで解決する〉〈自己学習による積極的な対処方法〉〈頼れる先輩からの業務と精神面からのサポート〉〈高め合う存在〉〈院内外での関わり〉〈学びの場の充実〉〈マンパワー不足を解消〉分類した。【考察】コロナ禍での入職により研修が少なかったことにより看護実践能力への不安が一層強まったと言える。また、コロナ禍の影響で現場に余裕がない状況の中、他病棟への移動もあり、不安やストレスの要因となったのではないかと考える。そういった現状の中でも、先輩に相談したり、業務外の時間でもコミュニケーションを取ることで、ストレス・不安の解消や看護技術の成長につながったと考えられる。しかし、コロナ禍に入職したことで、先輩看護師ともコミュニケーションを取る時間が減少していることは確かであり、コロナ禍でも、院内外で場所や時間を確保し、意図的に同期、職場の先輩と馴染む事ができるプログラムの必要があると考えられる。