第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター12群 ポストコロナ社会の看護への示唆~看護職の心の働きとその対処②~

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:鈴木 美智子

[ポスターY-12-2] 通常体制とCOVID-19体制を繰り返す環境下にある救急看護師の戸惑い

牟禮 亜古, 河口 紗綾子, 松宗 綾子 (東京都立広尾病院)

Keywords:COVID-19、戸惑い、救急看護師、救命救急センター

【目的】A 病院救命救急センターはCOVID-19 患者を受け入れており、感染拡大と収束に伴い通常体制とCOVID-19 体制が繰り返されている。通常と異なる状況での患者対応や釈然としない戸惑いを抱いたままの時間が長期に及ぶと看護師に身体的・精神的な問題が顕在化してくることが考えられるため、通常体制とCOVID-19 体制を繰り返し経験した看護師の戸惑いを明らかにする。【方法】研究デザインは因子探索型研究とし、インタビューガイドを用いて半構造化面接技法で実施した。インタビュー内容は参加者同意のもとIC レコーダーに録音した。 インタビューデータから逐語録を作成し、テキストマイニングにて頻出単語を抽出した。それらの頻出単語が他のどのような単語と結びついているかを共起ネットワークで可視化した。本研究はA 病院倫理委員会の承認後、対象者へは研究の主旨と内容及び参加の自由、匿名性の保持等について口頭と書面で説明し、同意を得た。【結果】対象者は同意を得られた19 名で、看護師経験年数平均14.1 年であった。コンセプトマップは主に「体制」「スタッフ」「家族」を中心に集合体を形成していた。「体制」の集合体では「体制」と「ルール」の結びつきが最も強かった。「家族」の集合体においては「出来る」との結びつきがみられた。「スタッフ」では、「応援」「不安」「辛い」の結びつきがみられた。【考察】「体制」と「ルール」の結びつきは、通常体制とCOVID-19体制それぞれの「ルール」の変更の度に戸惑いを生じていたと考えられた。通常体制とCOVID-19 体制の入れ替わりにより、同じ体制であっても経時的な「ルール」の変更とケアの質維持への戸惑いが生じていた。「家族」と「出来る」の結びつきに関しては、家族の面会に関するガイドラインはなく施設判断でありA 病院での面会は基本的に全面禁止であったが、その制限下で家族看護において何が「出来る」のか戸惑いとして現れていた。「スタッフ」の集合体では、COVID-19 体制時の「応援」「スタッフ」の補充により、慣れない「応援」「スタッフ」と慣れないCOVID-19 感染患者の看護を行うことに戸惑いがあった。戸惑いを最小限にするために業務面、精神面のサポートを早期より開始し、働きやすい体制を構築する必要があると考える。