第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター13群 ポストコロナ社会の看護への示唆~看護職の心の働きとその対処③~

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:阿久津 美代

[ポスターY-13-2] A病院看護師の新型コロナワクチンに対する意識とワクチン接種への動機づけ

金瀬 駿太朗1, 井林 梨乃1, 下田 佑香1, 新庄 佑希菜1, 尾島 めぐみ1, 上野 栄一2 (1.富山市立富山市民病院, 2.奈良学園大学)

Keywords:新型コロナワクチン、新型コロナウイルス、クラスター

【目的】日本では人口の8 割が1 回目のワクチンを接種しているが、A 病院では9 割以上の看護師がワクチンを接種している。A 病院では2020 年にクラスターが発生し、偏見や差別を受けたことからワクチンを接種する看護師が多かったと予想し、A 病院看護師の新型コロナウイルスワクチン接種への動機づけについて明らかにしたいと考えた。【方法】A 病院の看護師120 名を対象に自記式質問紙調査法を実施。属性は年代、アレルギーや持病の有無、同居の有無を尋ね、質問項目は1 命と健康2 費用負担3 安心面4 安全面について、各6 項目を質問し5 段階評価を行った。得られたデータはSPSS ver25 を使用し一元配置分散分析後、t 検定を行い、有意水準をp < 0.05 とした。対象者に目的・方法、参加は自由意志で不参加により不利益は生じず、学会等で発表することを文書で説明した。調査票は無記名とし、質問紙表提出をもって同意を得た。【結果】回収率95.8%、有効回答率84%であった。1 命と健康については、全ての項目で高値を示し有意差はなかった。「クラスターが起きたから接種した」で68.3% が思わない、そう思わないと回答した。2 費用負担については、「費用負担するだけの価値がある」で20 代に比べ30 代がやや高値を示した。「インフルエンザと同等の値段でも支払う」で、アレルギーや持病有りが無しより高値を示した(p < 0.05)。「副作用症状があっても受ける価値がある」でアレルギーや持病有りと同居無しでやや高値を示した。3 安心面について有意差はなく、全ての項目で低値を示した。4 安全面について「副作用が大きいと思う」でアレルギーや持病有りが無しより高値であった(p < 0.05)。【考察】命と健康の全ての項目が高値であり、クラスターが起きたという理由ではなく、医療従事者として他者の命や健康への配慮がワクチン接種へ影響していると考える。また、結婚・出産・育児が重なる30 歳代やアレルギーや持病がある人、同居家族がいない人では、よりワクチン接種への動機づけが高いと推測される。ワクチンに対する安心感は低いが、命と健康を守る感染対策の一つとしてワクチン接種を動機づけていると考える。一方で、アレルギーや持病がある人は副作用を多く感じており、副作用予防への対応が今後のワクチン接種の動機を高めると考える。