[ポスターY-13-3] 若年看護師が新型コロナウイルス感染症病棟へのローテーション勤務を経験する中で見出したやりがい
Keywords:やりがい、若年看護師、ローテーション勤務、新型コロナウイルス感染症
【目的】A 病院に従事する若年看護師が新型コロナウイルス感染症病棟で経験するストレスや困難にどのように対処し、どのようにやりがいを見出していくに至ったか、思考の様相を明らかにする。新型コロナウイルス感染症病棟に勤務する際に必要とする支援を明らかにする。【方法】探索的質的記述的研究。半構造化面接法を用い、インタビューガイドに沿って、60 分程度のインタビューを1 回実施した。音声データから逐語録を作成し、カテゴリー化し分析した。A 病院に勤務する臨床経験3 ～ 5 年の看護師を3 ～ 4 名、新型コロナウイルス感染症病棟にローテーション勤務の経験がある看護師を対象者として募集した。研究参加者の心身の負担軽減に努めた。本研究は研究実地施設内の倫理審査会の承認を得た。【結果】研究参加者は3 名で看護師経験年数は3 年目が1 名、5 年目が2 名。新型コロナウイルス感染症病棟への従事期間は全員計4 カ月。分析は9 カテゴリー、22 サブカテゴリー、30 コードを抽出した。「新型コロナウイルス感染症病棟での勤務に対する思い」では、「勤務への不安、勤務へのストレス、感染症への恐怖、「変化する倫理的感性と使命感」では、ケアへの意識の変化、感染症病棟で働く使命感・責任感、「新型コロナウイルス感染症病棟で得た学びと自己成長」では、新たな学び・経験、感染症予防への意識、「若年看護師が必要とする支援」では、隔離された医療従事者への支援、働くスタッフを取り巻く周囲の環境が語られた。【考察】若年看護師は、新型コロナウイルス感染症病棟で勤務する中で、やりがいや自己成長などの肯定的な思いを抱きつつも、未知の感染症やそこで実際に働くことに対して心理的、身体的ストレスを感じていた。直接触れるケアの大切さや身体拘束の解除の困難に直面し葛藤し、看護の難しさと日頃のケアのかけがえのなさを痛感していた。しかし、自部署で経験できない疾患や高度医療機器が経験でき、新たな学びが仕事の意欲向上や自信に繋がったと語っていた。一方、慣れない1 カ月目の勤務が辛く感じたと語りがあり、長期間のローテーション勤務は若年看護師には心身のストレスに繋がる可能性が示唆された。初回は短期間のローテーション勤務に留めるなどの配慮が必要である。また、勤務する若年看護師にとって対話や励ましがストレスや不安の軽減に有効と考えられ、病棟管理者や同僚が理解する姿勢や支援も必要である。