第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター15群 看護職間・他職種との協働①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:廣瀬 泰子

[ポスターY-15-2] 看護補助者の質向上に向けた看護補助者クリニカルラダーの活用

萬田 雅子, 前田 茜 (大阪国際がんセンター)

Keywords:看護補助者、クリニカルラダー、看護補助者教育

【目的】背景や採用時期が様々な看護補助者に対し、医療チームの一員という自覚を促すと共に、個々の業務実践能力及び社会人基礎力レベルを可視化し、質向上を支援するツールとして、看護補助者クリニカルラダー(以下、看護補助者ラダーとする)を作成し、運用する。【方法】看護師クリニカルラダーを参考に、業務実践能力と社会人基礎力(チームで働く力)を段階的・具体的に明文化し、病棟と外来系の業務内容に応じた看護補助者ラダーを5 段階で作成した。導入に当たり、看護補助者と副看護師長に、必要性と目的、運用方法について説明会を実施した。その後、運用手順を作成し試用期間を経て、病棟・外来合わせて44 名の看護補助者に対し、今年度より運用を開始した。評価は自己評価と副看護師長・看護師長評価で行い、副看護師長は現状と課題を明確にし面談を行った。倫理的配慮として、面談内容やラダーレベルは個人情報として適切に保護し、不利益が生じないようにした。【結果】認定結果は、ラダー3 は病棟16 名、外来1 名、ラダー2 は病棟8 名、外来2 名、ラダー1 は病棟6 名、外来5 名、配属から間もなく認定に至らなかった者は病棟6 名、外来0名であった。当初、看護補助者からは、評価される不安や、ラダー自体よくわからないという声があったが、「きちんと評価されるとモチベーションに繋がる」と前向きに捉えている者もいた。また、副看護師長からは「しっかりコミュニケーションをとれる良い機会となった」という意見の一方で、「面談の時間を作ることが難しかった」「自己評価と副看護師長評価が異なるときの面談が難しく感じた」等の意見があった。【考察】これまで看護補助者支援として、研修やマニュアルの整備を行っていたが、配属後の看護補助者間の問題や業務中の私語、離職など様々な課題に対する取り組みは可視化されていなかった。そのため、今回質向上を支援するツールとして看護補助者ラダーの作成・運用に至った。面談で看護補助者の強みと課題を共有し、あるべき姿に向けての支援が運用の重要なポイントとなるが、今年度は運用初年度であり、面談の難しさや評価の適正化などの課題が明らかになった。看護補助者ラダーの運用は、看護補助者のラダーレベル別分布を明確にし、副看護師長からの継続的な支援も可能となる。今後も看護補助者の質向上への支援を継続しながら、更なる看護補助者の活用、協働を推進していく。