[ポスターY-15-4] 看護の専門性の発揮のために看護補助者との協働およびタスクシフトを推進する上での現状と課題
―A県内における実態調査より―
Keywords:看護補助者、協働、実態調査
【目的】看護補助者の確保・定着と協働の実態から看護業務のタスク・シフト/シェアおよび看護補助者T の協働にむけた課題を明らかにする。【方法】1 Web によるアンケート調査 2 対象:A 県内の施設代表者320 名、リーダー看護師960 名、看護補助者960 名 3 調査期間 2022 年8 月5 日~ 31 日 倫理的配慮:回答は個人の自由意思であること、結果の公表について調査用紙に記載した。施設・個人が特定されない質問項目とした。A 県看護協会研究倫理委員会の承認を得た(R5-1)。【結果】回答率は、施設代表者30.0%、リーダー看護師27.9%、看護補助者29.0%であった。看護補助者は主に病棟、外来に配置され、平日のみならず、土・日・祝日、早出、遅出、夜間など柔軟なシフト制により業務にあたっていた。しかし病床規模に関わらず看護補助者が十分確保できていると回答したのはわずか3%であり、定着については3 割の施設が課題であると回答していた。看護補助者の離職理由は、「業務内容に体力がついていかない」、「命に関わる安全への心配」、「感染への不安」、「同僚および他のスタッフとの人間関係」などが挙がった。一方、「看護師とコミュニケーションをとること」、「患者・看護師から頼りにされること」、「名前で呼ばれること」は看護補助者のやりがいにつながっていた。「日本看護協会「看護チームにおける看護師・准看護師及び看護補助者の業務のありかたに関するガイドライン(以下ガイドライン」について、施設代表者の9 割以上が十分理解しているのに対し、リーダー看護師の理解は5 割であった。また、看護補助者の業務基準・手順は整備されているが、看護師からの指示方法が明確になっている施設は18.8%であった。看護補助者の業務において、周辺業務の委譲は進んでいるが、看護師は話し相手や見守り、清潔、排泄ケアなどの委譲拡大のニーズが高く、それらを委譲することによりベッドサイドケア、患者観察、多職種協働が推進されると回答していた。【考察】看護補助者の確保・定着、看護師との協働を推進するためには、さらにガイドラインの周知を図ること、個々の能力に見合った業務内容の調整を図ること、看護指示を標準化すること、安全対策・感染予防を中心とした教育の充実を図ること、コミュニケーションを良好に保つことが重要であると示唆された。