第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター15群 看護職間・他職種との協働①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:廣瀬 泰子

[ポスターY-15-5] 高齢者専門病院におけるデイパートナーシップを使用した看護師が介護福祉士と協働したプログラム導入効果の検討

サブレ森田 さゆり1, 松浦 悠子1, 松枝 圭子1, 石丸 伸枝1, 加納 周美2 (1.国立長寿医療研究センター, 2.榊原病院)

Keywords:デイパートナーシップ、協働、介護福祉士、回復期リハビリ病棟

【目的】本研究では、PNS の看護方式を拠り所として、デイパートナーシップ(以下DPS)体制のもと、看護師(NS)と介護福祉士(CW)による協働と連携の促進にむけた教育プログラムの導入効果を明らかにする。【方法】プログラムは、2 回の研修会(導入期:開始前、実践期:介入2 か月後)と6 か月の実践期間で構成した。ファシリテータ(以下FA)として、スタッフ5 名(NS 及びCW)には① DPS 相互の関係性、②協働の必要性、③コミュニケーション能力向上を目的とした研修プログラムを直接指導した。その後、①②③の内容について、病棟職員全員を対象とした演習と講義を計2 回実施した。また、FA が役割モデルとなって、業務において実践を牽引した。対象は、NS 17 名及びCW 7 名(FA も含む)であり、研修前・研修終了6 か月後の尺度得点の変化をwilcoxon の符号付順和検定で分析した。一群前後比較試験デザインを用いた。研究対象者には、説明と自由意思による研究参加への同意を得た。【結果】連携段階のLinkage を示す顔の見える連携尺度の中央値は、研修前65(57.0-69.5)点、研修終了後76(62-68)点と上昇し、統計的にも有意であった(p=0.022)。下位項目では、「患者に関わる自分以外の職種が理解できる」「患者に関わる施設の理念や事情が分かる」「患者に関わる人の性格、付き合い方がわかる」「患者に関わる地域連携に関して、課題や困っていることを共有し、話し合う機会がある」「患者に関わることで、気軽に相談できる人がいる」の5 項目で有意な上昇を示した(p < 0.05)。連携段階のfull integration を示す多職種連携尺度の中央値は、研修前62.5(58.2-67.0)点、研修終了後6か月後67.0(54.5-76.2)点と上昇したが、統計的には有意ではなかった。【考察】本研究では、NS とCW が相互に理解し、関係性も向上した。研究による介入の機会が得られ、施設の理念や体制の理解とコミュニケーション能力向上にも繋がった。また、NS の医療やケアとCW の生活支援が、職種役割と職種の専門性を基盤としながら、一部の業務を協働して患者の支援を行うことで、NS とCW の融合された素晴らしいケアが形作られて始めているのではないかと考える。