第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター16群 看護職間・他職種との協働②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:廣瀬 泰子

[ポスターY-16-1] 看護師が介護福祉士とタスク・シフト/シェアを目指した介護福祉士の専門性・自律性向上への1 年半の教育的介入の取り組みの検討

松浦 悠子1, サブレ森田 さゆり1, 石丸 伸枝1, 加納 周美2 (1.国立長寿医療研究センター, 2.榊原病院)

Keywords:介護福祉士教育、タスク・シフト/シェア、専門性・自律性、DPS:デイパートナーシップ

【目的】今日の医療現場では多職種協働が求められる。看護師(以下NS)と介護福祉士(以下CW)の領域は重複し、不確実性があり、質の高い患者ケアの為にタスク・シフト/シェアが重要である。CW は介護福祉士養成課程を経ず免許取得も可能であり、個人資質も加わる為多様な教育背景が生み出す課題はCW と多職種の連携・協働を困難にする大きな要因になっている(水上2007)。本研究ではCW の専門性・自律性向上への教育効果と2 病棟のチームアプローチを比較し、教育的介入の取り組みを評価した。【方法】A 病棟NS18 名CW 8 名に2021 年9 月より1 年半A 病棟CW に副看護師長が教育介入した。カリキュラムとして1.ICF(国際生活機能分類)用いた情報整理・アセスメント・介護過程を講義・指導、2. 介護カンファレンスにおいて実践的介護計画を指導(3 回/月)、3.NS とCW がデイパートナーシップ(以下DPS)を組み、協働して日々の介護実践をした。その効果を目標達成行動尺度を用いて介入前から半年毎に計4 回CWが自己評価し、willcoxon の符号付き順位検定で分析した。また、A 病棟と約1 年2 カ月遅れて同様のカリキュラムを開始したB 病棟NS 27 名、CW 5 名にチームアプローチ尺度(TASS-R)をt 検定で分析し、2 群比較した。研究対象者に、不利益のない配慮と説明、自由意思による同意を得た。【結果】目標達成行動尺度では7 因子中「自律的判断行動」「チームの相互行為と役割遂行」「患者の個別ニードへの対応」の因子得点が有意に上昇した。チームアプローチ尺度(TAAS-R)では「チームの機能」「チーム活動の重要性」「チームメンバーの役割遂行」「目的と役割の明確化」の4 因子においてB 病棟と比較してA 病棟の得点が有意に上昇した。(P < 0.05)【考察】本研究ではNS がCW に根拠ある介護計画を教育介入し、DPS でNS と協働することでCW の自律的判断行動やチーム役割が明確化し、個別ケアの充足に繋がった。CW の専門性である細やかな生活援助や尊厳ある個別ケアはNS とCW のチームの目的や役割、機能を向上させることで充実できると考える。タスク・シフト/シェアにおいて「根拠ある介護計画立案と介護実践への継続教育」「DPS でNS と協働できる業務体制」「NS とCW が相互の専門性を尊重する」ことが教育的介入の取り組みとして重要であると考える。