第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター16群 看護職間・他職種との協働②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:廣瀬 泰子

[ポスターY-16-3] 一般病棟にて特定行為研修修了看護師が介入し、円滑な人工呼吸器離脱が図れた1 事例

福田 貴裕, 平子 匠文, 鈴木 美佐 (順天堂大学医学部附属静岡病院)

Keywords:一般病棟、特定行為研修修了看護師、人工呼吸器

【目的】一般病棟において特定行為研修修了看護師(以下特定看護師)として、円滑に人工呼吸器が離脱できた症例の実践内容を振り返り、特定看護師による看護介入の効果を考察する。【方法】対象患者は50 歳代、男性、急性心筋梗塞による心室細動蘇生後脳症にて意識回復は見込めない状態であったが、人工呼吸器離脱を試みた。特定看護師として医師へ呼吸器離脱に向けて、特定行為による介入が可能な旨を伝え人工呼吸器離脱の要件を決定した。その後その要件を含む看護計画を立案、介入した。本研究で使用した情報は個人が特定される事はなく、研究目的以外に使用しないことを前提に所属施設の看護部倫理審査委員会相当の機関にて承認を得た。【結果】ICU より人工呼吸器を装着し一般病棟に入室となった時点から、SpO2 低下なく、十分な一回換気量であり、頻呼吸を認めない為、人工呼吸器離脱に向けた看護介入について検討した。その後、医師と相談し、離脱要件を無呼吸による補助換気が作動しない事、及びFiO2 の低下とした。そこで、看護計画に無呼吸回数の測定を観察項目に追加し、体位ドレナージや人工呼吸器関連性肺炎予防とラウンド毎のカフ圧管理を実施した。その後、離脱要件に達したタイミングで再度、特定看護師間で検討した結果、人工呼吸器離脱が可能と判断し医師へ上申、手順書の発行を依頼した。手順書に基づき、特定行為「人工呼吸器からの離脱」にて自発呼吸トライアルを実施、酸素化の悪化を認めず、呼吸状態が安定し、合併症の併発がない事を確認の上、入室3 日目に合併症なく離脱に至った。【考察】特定看護師が包括的アセスメントの下、離脱要件を医師と決定し、看護計画に反映させ病棟看護師と目標を定め実施した事で、二次合併症を起こさず安全に人工呼吸器離脱へ至ったと考える。更に人工呼吸器装着患者が少ない病棟で専門的知識・技術の下、看護の視点を病棟看護師へ指導し共に看護介入した事で患者の回復へ繋がったと評価する。特定看護師は医学的視点と看護学的視点を統合した包括的アセスメントにより、適時にケアを提供し患者の早期回復へ寄与する役割がある。今後はチーム医療の中で主体的・能動的に特定行為を実践し、早期医療介入の実施により患者・家族のニーズ沿った看護的介入が期待されると考える。