第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター17群 看護職間・他職種との協働③

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:三輪 真砂子

[ポスターY-17-4] 地域包括ケアにおけるHOTプロバイダーの多職種連携の現状についての調査研究

天谷 尚子, 平山 香代子 (和洋女子大学看護学部看護学科)

Keywords:在宅酸素療法、HOT プロバイダー、多職種連携

【目的】現在、在宅酸素療法(HOT)を行う療養者に対して、安全で効果的な在宅医療が求められている。これらの実現には多職種との連携が重要であり、HOT プロバイダーはその一員である。しかし、HOT プロバイダーの多職種連携についての研究は乏しい。本研究では、HOT プロバイダーの多職種連携の現状を明らかにし、地域包括ケアにおけるHOTプロバイダーの役割について考察する。【方法】在宅酸素事業者A 社に所属のHOT プロバイダーへメールの送信を依頼した。対象者はメール内URL から多職種との連携状況等について選択式及び記述式にて回答した。分析方法:単純集計、倫理的配慮:対象者にはメール内で研究の趣旨、匿名性の保持、協力の有無によっていかなる不利益も被らないことを説明し、アンケートの回答を以て同意を得た。【結果】A 社HOT プロバイダー23 名から回答を得た。連携している職種は、かかりつけ医・訪問看護師各23 名(100%)、ケアマネジャー14 名(60.8%)、リハビリテーション職員8 名(34.8%)、自治体職員2 名(8.7%)、自社企業看護師・MSW・介護職員各1 名(4.3%)であった。主な連携内容は、かかりつけ医<療養状況の報告、酸素濃縮器の機種や酸素吸入量等の相談>、訪問看護師<療養における問題点の共有、療養者の指導を目的とした看護師への機器操作・手入れに関する情報提供、緊急時の役割の明確化>、ケアマネジャー< HOT、生活における留意点の説明、通所系サービス利用時の対応>、リハビリテーション職員<携帯用酸素ボンベ、酸素濃縮器を用いたリハビリテーションの相談>、自治体職員<災害時の対応や避難指定場所の確認>等であった。各職種との連携について、HOT プロバイダーの94%がHOT 療養者にとって効果的であったと回答した。【考察】HOT プロバイダーは、医療職以外にもケアマネジャーや自治体職員等、多職種と連携していた。また、HOT プロバイダーは各職種の専門性を理解した上で関わっていたことが効果的な連携に繋がったと考える。今後、地域包括ケアにおけるHOT プロバイダーの役割として、災害時や緊急時の体制強化、多職種間での連携体制の構築、HOT 療養者のアドヒアランス向上のための多職種連携が期待された。