第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター17群 看護職間・他職種との協働③

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:三輪 真砂子

[ポスターY-17-5] できるADLからしているADLへの支援

―回復期リハビリテーション病棟における連携の現状―

浅井 京子1, 森 智奈美1, 田中 響2 (1.三朝温泉病院, 2.鳥取看護大学)

Keywords:できるADL、しているADL、他職種連携、熟練看護師

【目的】A 病棟は回復期リハビリテーション病棟で、A 病棟看護師とリハビリテーションスタッフ(以下リハスタッフ)は、連携を図りながら日常生活動作(以下ADL)の拡大と退院支援をしている。しかし訓練で「できるADL」と日常生活で「しているADL」に乖離があり、退院調整が遅延する現状がある。熟練看護師は患者の状況を局面の視点ではなく全体として捉えることができるため、A 病棟熟練看護師が実践している他職種連携の実態を可視化することで、乖離するADL を一致させた退院調整が図れるのではないかと考えた。A 病棟熟練看護師が実践するリハスタッフとの連携の現状を明らかにする。【方法】調査期間は令和X 年9 月1 日~令和X 年9 月30 日。対象者は研究の同意が得られたA 病棟熟練看護師女性4 名男性1 名。1 人30 分程度半構造化面接を実施した。対象者の許可を得てボイスレコーダーに録音し、目的に関連する内容を逐語録にした。逐語録に起こしたものを基に、参加者ごとに調査内容を表現している記述を抽出しコード化する。そのコードから類似するコードを集めてサブカテゴリを導き出す。本質的な意味内容を表現するようにカテゴリ化し、質的記述分析を行った。研究への参加は任意であり参加を撤回しても不利益を被らないこと、個人が特定されることはないこと、収集したデータは研究目的以外には使用せず研究終了後に破棄することを文書と口頭で説明し同意を得た。【結果】平均経験年数21 年、A 病棟平均経験年数6 年。109 コードを抽出し26 サブカテゴリに抽象化され、8 カテゴリにまとめられた。【考察】「」はカテゴリを表す。A 病棟熟練看護師は、リハスタッフと「確実な実践と適切な情報把握のための声の掛け合い」「迅速で確実な情報伝達」を実践することで、「スタッフ間の良好なコミュニケーション」を図りながら連携を行っていた。しかしA 病棟看護師とリハスタッフ間では「個人の関心・情報認識・実践力の偏りによるズレ」があり、連携が不十分と考えていた。そのため、「実践力向上に向けた多角的な視点の育成」と「目標設定の統一と相互理解」を行うことが重要と考えていた。また個々のコミュニケーションに対する特性から「連携不足による不確実な情報共有とADL 拡大の遅延」があると考えており、リハスタッフも「患者援助に関心を持ち能動的な介入」をしてほしいと考えていたことが明らかになった。