[ポスターY-2-5] A病院の未就学児の親である看護職員におけるキャリアビジョンの実態調査
―子が就学した後を見据えたキャリアの意識―
Keywords:未就学児、育児支援制度、キャリアビジョン
【目的】A 病院は未就学児の親である看護職員に対する就学後の育児支援制度がなく、急な環境変化が求められるため、子が就学した後の看護専門職である自分をイメージし成長意欲を持ち続けられる看護職員の育成が必要である。そこでA病院の未就学児の親である看護職員におけるキャリアビジョンを明らかにし、看護管理者として必要な支援の示唆を得ることを目的に本研究に取り組んだ。看護管理者による計画的なキャリア発達の支援に繋がると考える。【方法】A 病院未就学児の親である看護職員約100 名に対し、無記名自記式調査用紙を作成し、プレテストを経て調査を実施した。データ分析方法は、得られた回答を項目ごとに単純集計した。倫理的配慮は、研究対象者に対し匿名性の保持、参加の自由意思確保、研究への不同意や途中辞退においても不利益は生じないことなどを書面にて説明し、同意を得た。【結果】調査用紙を119 名に配布、回答41 名、回収率34.5%、有効回答数は40 名(97.6%)、うち30 歳代・40 歳代が38 名(95%)であった。属性は20 歳代2 名(5%)、30 歳代20 名(50%)、40 歳代18 名(45%)、そのうち、目指す看護があると回答した25名(62.5%)を「キャリアビジョンあり群」とした。「キャリアビジョンあり群」の中で<育児支援制度終了を見据えた勤務継続への準備の内容(複数回答)>は「学習・研修参加」「後輩指導」各5 名(20%)、「退職」6 名(24%)であった。<キャリア継続のために必要な事>は、「意思・意欲」「時間」各19 名(26%)、<必要な支援>は「部署配属」18 名(72%)「動機付け」8 名(32%)であった。<目指す看護師・助産師の有無>は「はい」13 名(52%)だった。【考察】A 病院の未就学児の親である看護職員の62.5% は目指す看護が明確であり、子が就学した後を見据え専門性の向上や人材育成への寄与などキャリアを構築する意識がある。また、30 歳代は経験を基にキャリアビジョンを構築し方向性が決まる時期であると言われており、20 歳代からキャリアビジョン構築への支援、キャリア継続に関連した部署への配属や環境調整、目指す姿の具現化に向け育児をしながらキャリア継続している看護職員との交流の場の調整などが、看護管理者が行う支援として重要であると示唆された。