第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター22群 精神看護

Wed. Nov 8, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:中澤 範子

[ポスターY-22-3] 精神科身体合併症病棟開設時に他領域から異動となった看護師の困難と支援体制の検討

大杉 拓也, 浦里 博史, 岸本 聡, 森下原 友香, 辻井 弘一, 竹原 歩 (兵庫県立はりま姫路総合医療センター)

Keywords:精神科身体合併症病棟、人事異動、困難、支援

【目的】A 病院で精神科身体合併症病棟が新規開設して1 年が経過した。開設時に他領域から当該病棟に異動した看護師がこの間に抱いた困難の内容と、現在の心境の変化を明らかにするためインタビュー調査を行い調査結果を分析した。これら困難体験を克服した経験は、新たに迎える看護師の支援体制の礎となるだろう。【方法】対象者はA 病院の精神科身体合併症病棟開設時に他領域から異動となった看護師8 名。研究参加は自由意志に基づくもので、協力しない場合でも不利益を生じないこと、参加同意後での取りやめが可能であることを説明した。インタビューはプライバシーが守れる個室で行い、許可を得て録音した。収集済みのデータは匿名化することで個人情報を守ること、データはパスワード管理の上で鍵のかかる場所に保管して研究終了後には消去することを説明のうえで同意を得た。データは半構成的面接法で収集し、質的・帰納的に分析した。【結果】対象者が体験した困難に関する語りから11 のカテゴリを抽出、“ 困難体験の内容”・“ 困難に影響を与える因子”・“ 困難体験を通して得たもの” という3 つの上位カテゴリに集約した。1. 困難体験の内容:「未知の領域に対する不安」や「患者への陰性感情」がそれまで培ってきた「自信の揺らぎ」につながり、それらは「個人的な悩みや不安」に発展していたことが示された。2. 困難に影響を与える因子:「予期しない配属」による動揺や、超急性期治療を担う大規模病院の中での「自部署の存在意義に対する疑問」や「他部署からの評価」は対象者の困難感に影響したほか、「組織体制への不満」も伴っていた。3. 困難体験を通して得たもの:個々が経験を積む中で「成長の自覚」をし、「チーム内相互支援体制」によって困難を乗り越えていた。またそれらの経験をもとに「支援の具体的な要望」が提案できるようにもなった。【考察】自己学習研鑽や部署内の相互支援などの自己支援、他施設との人材交流や院内リソースチームの介入などの組織的な支援体制の構築、が必要と考えられた。これらは、今後精神科身体合併症病棟に新しく迎える看護師への支援体制の基盤になると考える。