第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター23群 住み慣れた地域に戻ることへの支援①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:牛田 貴子

[ポスターY-23-3] 地域医療連携室職員が退院調整時に感じる困難の要因

―自宅から入院した高齢患者に着目して―

大高 光李1, 中島 義枝1, 菅原 隆成2, 桑田 弘美3 (1.関中央病院, 2.朝日大学保健医療学部看護学科, 3.滋賀医科大学医学部看護学科)

Keywords:地域医療連携室、高齢者、入退院支援看護師

【目的】A 病院地域包括ケア病棟は緊急の受け入れが多く、治療と退院支援を同時に行っているが退院調整がスムーズにいかない場面が多くある。退院先が自宅・施設に関わらず患者・家族がより安心して退院できるような支援に繋げるために地域医療連携室職員が退院調整時に感じる困難の要因を明らかにすることを目的とした。【方法】対象はA 病院地域医療連携室職員のうち退院調整に関わった医療相談員1 名、入退院支援看護師2 名で、30 分程度の半構造化面接を実施した。その後逐語録を質的記述的方法で分析した。本研究は所属機関の倫理委員会にて承認を得たのちに対象者に対し説明を行い、自由意志に基づいて同意を得たうえで実施した。【結果】110 のコード、25 のサブカテゴリが抽出され、<入院・治療で生じる状態変化に対する不安><面会できないことによる不安の増大><家族の意向に沿った支援><自宅退院する患者への社会資源利用の調整><施設入所を検討する家族の不安><退院する施設を見つけることが困難><独居高齢者の在宅生活の限界>の7 カテゴリへ統合された。【考察】入院すると治療が優先となる中で並行して退院支援が行われ、家族はどの時点でも<入院・治療で生じる状態変化に対する不安>を抱えていた。加えてコロナ禍で<面会できないことによる不安の増大>が起こっており、医療者より適宜説明がなされても本人の様子が伝わりにくく退院調整時の困難となっていた。また、以前よりサービスを利用していた患者も入院治療により<自宅退院する患者への社会資源利用の調整>を要することが多くみられ、<家族の意向に沿った支援>を行っている状況であった。施設入所を希望する場合は施設利用が初めてであることが多く、<施設入所を検討する家族の不安>を抱えていた。患者・家族双方の理由により近隣で希望に沿う施設が見つからないことも多く<退院する施設を見つけることが困難>な状況であった。独居高齢者はケアマネや家族が<独居高齢者の在宅生活の限界>を感じていても本人は生活できると思っていること、他者からの支援を受けようとしない等の傾向があることが多く、生活援助を要するが介入が困難となっていると考えられた。どの状況においても丁寧な声掛けや対応で不安の軽減を図っていくことの重要性が改めて示唆された。