第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター23群 住み慣れた地域に戻ることへの支援①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:牛田 貴子

[ポスターY-23-4] 入院時の情報収集に関する実態調査

―退院支援に繋げる入院時情報用紙の改訂を目指して―

久保田 奈美1, 松瀬 秀子1, 小川 かずみ1, 長井 友美1, 石垣 恭子2 (1.佐世保中央病院, 2.兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科)

Keywords:入院時情報、入院時情報用紙、退院支援

【目的】1. 病棟看護師の入院時情報収集の内容について現状を把握する。2. 入院時情報用紙を活用し退院支援の充実に向けた情報収集ができる用紙へ改訂する。【方法】1. 調査方法1)先行研究、独立行政法人国立病院旭川医療センターの「看護師の退院調整に関するアセスメント能力の向上を目指して」をもとに、入院時の必要な情報を7 分類31 項目に厳選し、入院時の情報収集に関する質問紙調査を作成。B 病棟看護師へ入院時情報用紙改訂前後に質問紙調査。2)入院情報収集時の看護師のストレス調査。3)理学療法士とソーシャルワーカーへ入院時情報についてアンケート調査。2. 分析方法 看護師への質問紙調査から得られた結果をカイ二乗検定・マンホイットニー検定で分析。3. 倫理的配慮 佐世保中央病院倫理員会の承認後(2022 年6 月承認)、調査対象者へ文章にて説明し実施した。【結果】「入院時に看護師に聞いてほしい情報があるか」の問いに、ソーシャルワーカー100%、理学療法士66.7%があると回答。B 病棟において、入院時に情報用紙を活用する看護師は96%だった。情報用紙を使用し、情報が得られるかの問いに対して、得られると回答した看護師は、改訂前32%、後68%だった。「入院時に確認している情報」は、用紙改訂後は、31 項目中28 項目に「情報収集が出来ている」と回答があった。カイ二乗検定の結果、有意差はなかった。看護師の入院時の情報収集に関するストレスに、業務の中断、時間を要する、情報収集不足のストレスがあった。用紙改訂後は、時間を要する項目と情報収集不足の項目に“ ストレスを大いに感じる” 看護師が減少した。ストレスに対し、マンホイットニーU 検定の結果、情報不足のストレスがある項目に有意差がみられた(P < 0.001)。【考察】宇都宮は,退院後の生活支援のために情報収集が必要な理由について「それは看護師が,社会の中で生きている人や生ききる人をそれぞれの生活の場へ送り出す役割を担っているからだと考える」と述べている。入院情報用紙の改訂前は68%の看護師が情報不足を感じていた。調査を行い入院情報用紙へ項目を追加することで、情報不足が解消する結果が得られた。退院後の療養先を見据え、患者・家族の意向に沿った入院時情報取集が必要と再認識した。