第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター24群 住み慣れた地域に戻ることへの支援②

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:室岡 真樹

[ポスターY-24-2] 化学療法を受ける血液疾患患者の退院中の感染予防行動

冨永 春日 (日本赤十字長崎原爆病院)

Keywords:感染予防、化学療法、血液疾患、骨髄抑制、退院指導

【目的】化学療法を受ける血液疾患患者が退院中に自宅でどのような感染予防行動を行っているかを明らかにする。【方法】化学療法施行歴があり、かつ化学療法継続目的でA病棟へ入院する血液疾患患者51 人。基礎情報や感染予防行動を質問紙で調査しマン・ホイットニーのし検定やスピアマンの順位相関係数で検定した。なお本研究は対象者に同意を得てデータを収集、使用する。データは個人が特定されないよう保管し研究終了後は速やかに破棄する。【結果】対象者は44 ~ 85 歳で初回化学療法開始月から経過は1 ヶ月~ 10年6 ヶ月。手洗いについてはトイレの後、手が汚れた時、外出から帰宅した時の3 場面では98% 以上が実施できていた。外食や会合、観光などの目的で外出する対象者は20% 未満であった。セルフモニタリングの体温測定を1 日1 回以上実施している対象者は45.1% であった。重要性の感じ方と感染予防行動の関連は食事の衛生管理の重要性に対する自覚の高い群は食生活に関する感染予防行動の実施率が有意に高かった。治療歴と感染予防行動の関連では治療歴が長い対象者ほど賞味期限を守って摂取していなかった。【考察】対象者の多くは手洗いの実施、不要不急の外出をしない、マスクの着用をするなど基本的な感染予防行動をしており、COVID-19の流行や看護師からの指導を受けたことで意識的に行っていたことが示唆された。感染予防の重要性については、体温測定を無日実施している対象者は半数を下回っていた。その為、重要性の自覚を3 群に分け分析した結果、重要性の自覚が高い群ほど体温測定を実施している対象者の割合が多く重要性を高めることで退院中のセルフモニタリング能力の向上に繋がることが示唆された。食生活の項目では、治療歴が長い対象者は知識があり正しい行動が出来ているという先入観を持っていたが長期的に化学療法を継続しているという背景から意識的に賞味期限に注意した行動がとれていなかったと推測する。がんとともに生きていく生活者である血液疾患か患者も慢性疾患と同様にセルフマネジメントの視点でとらえることが重要であり治療歴やクール数に関係なく、すべての患者に対して感染予防の支援が必要であることが再認識された。