第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター24群 住み慣れた地域に戻ることへの支援②

2023年11月8日(水) 15:45 〜 16:45 ポスター会場 (G1-G4)

座長:室岡 真樹

[ポスターY-24-5] 心不全患者が在宅療養生活の中で抱える思い

吉田 佳織, 泉谷 美樹, 五十嵐 崇登 (山形県立中央病院)

キーワード:心不全、思い、在宅

【目的】A 病院内科外来へ通院し、6 か月程度経つ心不全患者の在宅療養生活の中で抱える思いを明らかにすることで、再入院を防ぐための看護援助のあり方を振り返ることができ、患者ケアの向上に期待できるのではないかと考えた。【方法】B 病棟から自宅へ退院後、A 病院内科外来に通院し、6 か月程度経過した心不全患者を対象とした。対象患者の外来受診日に研究目的、意義を文書と口頭で説明し、同意書を渡した。面接の際は付き添いの家族も同席して良いこと、ICレコーダーを使用すること、研究メンバー2 名で面接を行うことを説明した。内容によっては、つらいことや苦しいことなどを想起させる可能性があり、対象者の心理的負担が大きくならないように体調に配慮しながら実施した。〈療養生活で気をつけていること〉〈療養生活で工夫していること〉〈療養生活で大切にしていること〉について、30 分程度の半構成的面接を行い、患者の思いをコード化し、類似するものに分類してカテゴリ化した。【結果】対象者8 名。11 個のカテゴリ、19 個のサブカテゴリ、88 個のコードが抽出された。在宅療養生活の中で抱える思いとして、[入院前にやっていたことができず落ち込む][退院後はできないことがあっても仕方ないと諦める][病気自体よくわからないが生活に困っていない][減塩を取り入れた食生活に苦労している][自分なりに気をつけて生活できている自信がある][生活スタイルに合わず血圧測定が続けられない難しさがある][入院前の体調に戻ってきたと実感し一安心する][日常に楽しみを持つことで生活が満たされる][家族に支えられていることに感謝している][信頼する先生の言葉で安心したい][今の生活が続くことを望んでいる]が抽出された。【考察】退院して6 か月程度経過した心不全患者は、療養生活を続けるために、それぞれが生活に取り入れられる方法をみつけていた。自分なりの考えを持ち、工夫して生活することで、在宅療養生活を続けられるのではないかと考えた。今後は、患者の考え方を大切にしながら心不全指導を行うことが求められているのではないだろうか。患者が具体的な療養生活をイメージできるよう、患者の生活背景を知り、価値観を理解した上で、生活管理の方法を一緒に考えていくことが重要になると考えた。