第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター25群 住み慣れた地域に戻ることへの支援③

2023年11月8日(水) 10:30 〜 11:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:吉村 浩美

[ポスターY-25-1] 情報を集め退院後の生活をイメージする作業の教育要因

―病棟看護師へアンケートを実施してみて―

南 靖子, 今井 崇 (札幌東徳洲会病院)

キーワード:退院支援、退院支援プロセス、リーダー、アセスメント機能、教育要因

【目的】入院から退院を見据えた時、「情報を集め退院後の生活をイメージする作業」(以下、アセスメント機能とする)は病棟で実施される入退院支援業務のはじめの一歩である。一般的に入院時スクリーニングは入院支援センターや病棟看護師がおこなっており、このスクリーニングをもとにアセスメント機能を充実させ看護を展開させることは病棟リーダーの重要な業務と考える。そこで、アセスメント機能向上に貢献する基礎資料を得ることで教育要因を明らかにし強化したいと考えた。【方法】対象期間中、看護師250 名にアンケート調査を実施、分析方法はMann-Whitney U 検定、Fisherの直接確率検定を使用した。アンケートは無記名とし、参加は自由であり調査協力しなくてもなんら不利益を被ることはないこと、また研究発表の同意を得た。【結果】回収は113名(45.2%)であった。リーダー経験ありは59 名(52.2%)、リーダー経験なしは54 名(47.8%)であった。「入院時スクリーニング項目」と「リーダー経験の有無」について、Mann-WhitneyU 検定を実施したところ「入院前ADL を入力」「社会資源を入力」「居住先を入力」「退院支援の必要性を入力」「退院支援室の介入を入力」5 項目全てに有意差があった。次に、「アセスメント情報項目」と「リーダー経験の有無」についてFisher の直接確率検定を実施したところ「アセスメント基準がよく分からない」に有意差があった。さらに、「アセスメント情報項目チェック後の活用項目」と「リーダー経験の有無」についてFisher の直接確率検定を実施した結果「入力しただけ」「リーダーへ報告している」「退院支援看護師に連絡をしている」「引き続き情報収集とアセスメントを継続している」4 項目全てに有意差があった。【考察】スクリーニング項目について、リーダーは受け持ち看護師へ具体的な情報収集の必要性を伝え、収集した情報報告をうけること、つまりPDCA サイクルでまわすことが大切と考えられる。さらに、チェック後の活用について、リーダーは受け持ち看護師へアセスメント判断の理由、それにもとづく具体的指示をすること、そして足りない情報について深堀することが大切である。病棟で共に働く先輩リーダーだからこそ受け持ち看護師それぞれの力量に合わせた指導ができると考える。