第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター26群 住み慣れた地域に戻ることへの支援④

Wed. Nov 8, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:片山 陽子

[ポスターY-26-1] A 病院の消化器外来における電話相談の実態調査

矢島 有希, 中田 冨砂子, 藤原 初美 (武蔵野赤十字病院)

Keywords:電話相談、外来、緊急度、化学療法

【目的】A 病院の内科外来は平均7 人の看護師が、9 診療科の検査・処置・療養支援・緊急入院などに対応している。その中で患者からの電話相談を行っているが、診療科が多岐に渡るため情報収集に時間を要している。そこで迅速に的確な電話相談を行うため、電話相談数が最も多い消化器科の電話相談の実態調査を実施した。【方法】A 病院の消化器科外来で2021 年4 月〜 2022 年3 月に受けた電話相談897 人を対象とし、年齢、性別、日時、疾患、治療内容、相談内容と結果について単純集計した。データは匿名化し、A 病院看護研究推進委員会の承認を得た(N2022-007)。【結果】性別は男性552 人(58%)、年齢は65 歳以上の高齢者558 人(63%)、時間は9 時台270 人(30%)でその他の時間は9%前後であった。疾患は、がん疾患409 人(46%)、肝炎・肝硬変201 人(22%)、その他は5%前後であった。相談内容は腹部症状195 人(22%)、発熱143 人(16%)、検査関連90 人(10%)、吐下血80 人(9%)、その他は5%以下であった。検査関連のうち65 歳以上が64 人(71%)であった。電話相談の結果は、電話相談のみが525 人(58%)、当日受診372 人(42%)でそのうち104 人(12%)が緊急入院となった。入院の主症状は発熱、吐下血、食欲不振の順であった。がん化学療法中の相談件数は227 人(25%)でそのうち39 人(17%)が入院となった。電話相談時に救急要請を案内した主症状は、意識障害3 人、吐下血3 人、発熱2 人など合計13 人で、1 人は救急隊到着時に心肺停止の状態であった。【考察】高齢者からの検査関連を含めた相談が多く、検査説明をわかりやすく行う必要がある。がん治療は外来に移行されており、化学療法中の電話相談が多くみられた。今後もこうした相談が多くなることを予測し、化学療法中の電話相談対応マニュアルを活用するための教育が必要である。症状からは、発熱、吐下血、食欲不振が入院に繋がることが多かった。また救急要請が必要となった症状は意識障害、吐下血、発熱が多く、これらの症状に早く対応するための電話相談トリアージシステムの構築が必要である。だが電話相談のみで緊急度や重症度を速やかに判断することは難しく、疾患の理解や優先順位の判断など、臨床推論能力を高める教育の充実が必要である。