第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター29群 医療安全①

Thu. Nov 9, 2023 9:00 AM - 10:00 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:髙橋 久美

[ポスターY-29-3] 回復期病棟患者の安全対策に必要性・妥当性について明確化する

大本 瞳, 堀江 真衣 (長門記念病院)

Keywords:回復期病棟、転倒転落、センサーマット

【目的】抑制とは患者様自身の意に反して、行動の自由を制限、奪うこととされている。A 病院のB 病棟では具体的な指標がなく転棟時も記録や個々の看護師の経験に基づき安全対策を継続しており、安全対策が必要でない方にも抑制をしている為フローチャートを作成し安全対策の必要性、妥当性について検証し評価する。【方法】フローチャートを使用した看護師17 名に無記名式自記式質問紙での調査を行った。倫理的配慮として、研究で得られたデータは個人が特定できないよう匿名化し研究終了後シュレッダーで処理。個人情報保護法に基づき、業務上取り扱う資料の秘密を厳守。研究の主旨・方法・目的・倫理的配慮を口頭及び文章で説明し同意を得た。【結果】離床センサーフローチャートを使用したことがある16 名、使用したことがない0 名、無回答1 名。離床センサーフローチャートを使用して良かった15 名、悪かった0 名、無回答2 名。良かった点として、安全対策を考える時の参考になり考えやすく相談しやすかった、離床センサーを使用するにあたり本当に必要かどこまで必要か決めることが目にみえてできることが良かった、フローチャートがある方が看護師同士の意見のずれがなくていいと思った、転入患者に対して、標準的な安全対策を早期かつ簡潔に行うことができたのが良かったなどの意見があった。【考察】フローチャートというツールを使用することで患者の状態、行動把握、対策の流れが可視化され整理されることで正確な情報が得られ看護全体での取り組み、基準の統一ができたのではないかと考える。転入前よりベッド柵を追加し、クリップセンサー、オーバーテーブル固定し対応している患者もおり、今回作成したフローチャートでは対応とならず現状での安全対策の継続が多かったことからフローチャート使用前後で殆ど変化のない評価となった。B 病棟の看護師は7 割が中堅、ベテランで、それぞれ経験に基づいた対応であっても患者の行動パターンや性格、環境調整など患者1 人1 人の特徴を捉え援助をしているため評価に変更が見られなかったのではないかと考える。研究期間中の転倒、転落はなかったため妥当性の検証を行うことはできなかった。今後転倒・転落チームの立ち上げに伴いリハビリスタッフなど他職種と協働でフローチャートの見直しに取り組み、実用性のあるものにしていきたいと考える。