[ポスターY-3-1] 看護師と職場のウェルビーイング目指して
キーワード:ウェルビーイング(WB)、自己決定権、ワークエンゲージメント(WE)、世界幸福度ランキング
【目的】コロナ禍を通じて、エッセンシャルワーカーとして社会的価値を自覚できた一方、業務への疲弊、仕事に対するエンゲージメントの低下を感じた。A 病院看護師の幸福度意識調査を行い、職場のウェルビーイングにつなげる。【方法】倫理的配慮に基づき自由意思で看護師164 名(回答154 名男性51 名女性103 名)に院内SNS ビジネスチャットを用い、人生満足度、幸福度、自己肯定感のアンケート実施。検定方法は、U 検定。【結果】人生満足度(SWLS)7 件法は、前野らの幸せ診断(カウンセリングcotree 参加者15,028 人の平均値)22.5 と比し、19.2 と全ての項目とも低く人生は理想的で、素晴らしいとは思わない傾向があった。幸せの4 因子(各4つの合計16 質問)の第1 因子:自己実現と成長因子は13.6(診断平均値17.9)と低く自己有能感2.7、学習、成長因子も低い。第2 因子:つながりと感謝は22(平均値23.8)で利他性も5.4と多職種(平均値5.7)より低い。第3 因子:前向きと楽観14.6(平均値17.4)では達成感3.6(平均値4.4)と低い。第4 因子:独立とマイペースは17.8(平均値19)ありのままの自分を受け入れる率も低い。主観的幸福感構成比4 点以下の幸福感が低い職員が17.5% おりメンタルの課題も検出された。自己肯定感(日本版RSES)は、24.7 で日本人の平均値に近い結果だった。【考察】A 病院の看護師は幸せ診断を受けた集団より人生満足度、幸せの4 因子とも平均値より低く、コロナ禍、クラスター時における看護師の激務、消耗の度合いを反映している。また、自己有能感が2.7 と低いのは、諸外国と比べ、自己肯定感が低い日本人の特徴も影響し、学習意欲、目標実現の意欲も低い回答に繋がった可能性がある。幸福度ランキング1 位のフィンランドは、ウェルビーイングに国家的に取り組んでいる。日本は47 位で認識、教育も十分とは言えない。また、従業員エンゲージメントが125 ヵ国中124 位と低く、自ら肯定的評価を控える国民性、受け身の仕事姿勢が指摘されている。ワークエンゲージメントは、活力、熱意、没頭が揃った状態と言われる。ポジティブ感情を個人が意識し持てるように自主的な取り組み以外に組織的、特に看護部が中心となって、幸福追求、自己選択権の意識改革、職場の安全性の構築に取り組むことが急務と示唆された。