第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

Presentation information

ポスター

ポスター30群 医療安全②

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:渡部 節子

[ポスターY-30-6] 転倒転落予防に対する看護師のリスク感性・ハザード感性の実態

西家 悦子, 後藤 由加理, 小林 正奈 (富士市立中央病院)

Keywords:転倒転落、リスク感性、看護師要因、ハザード感性

【目的】B 病棟看護師と他病棟看護師のリスク感性・ハザード感性の相違を明らかにする。【方法】2022 年9 月から10月に一般病棟に勤務する主任以下、正規看護師216 名へ無記名Web 調査を実施した。調査内容は「看護職者のためのリスク感性とハザード感性の尺度」と「看護職員の医療安全活動に影響する因子」を使用した。記述統計量を算出後、ヒヤリハットの経験と安全管理の研修の受講についてχ二乗検定、リスク感性とハザード感性の尺度と看護職員の医療安全活動に影響する因子についてt 検定、看護職者のためのリスク感性とハザード感性に影響する要因として経験年数・ラダー、ヒヤリハットの経験、安全管理の研修の受講「看護職員の医療安全活動に影響する因子」について一元配置分散分析、相関係数を求めた。倫理的配慮:対象者に本研究以外の目的で使用しない・プライバシー厳守を説明し無記名で調査を行い回答を持って同意を得たものとした。【結果】回答数158 名(回答率73.1%)であった。ラダーレベル別リスク感性の平均点はI 98.4(SD11.8)点、II 92.5(SD13.6)点、III 90.8(SD13.1) 点、IV 98.7(SD14.4) 点、V 102.3(SD13.0)点であった。ハザード感性はI 72.6(SD10.6) 点、II 71.0(SD10.0) 点、III 73.5(SD8.53) 点、IV 75.1(SD10.2) 点、V 79.5(SD5.88)点であった。リスク感性は「情報知識活用」においてB 病棟33.0(SD5.0)点、他病棟35.8(SD5.7)点(t=-2.23 p=0.0135)であり、ハザード感性は「察知力・対応力」においてB 病棟37.9(SD5.4)点、他病棟40.4(SD6.2)点(t=-1.83 p=0.0345)と有意差があった。【考察】B 病棟は他病棟と比較し「情報知識・活用」と「察知力・対応力」が低値であった。B 病棟は外科病棟であり手術件数や検査、入退院件数が多く処置に追われている現状から患者の安全モニタリングに費やす時間が少ない状況がある。日々変化する患者情報をタイムリーに評価し看護実践に取り入れ気づきの感性を磨いていくことが重要と考える。B 病棟、他病棟共にラダーレベルの高い看護師はリスク感性やハザード感性が高いことから臨床判断能力が養われており安全行動をとることができると示唆された。