第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター32群 周術期の看護

2023年11月9日(木) 14:30 〜 15:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:中野 あけみ

[ポスターY-32-2] 患者のニードに沿った術前オリエンテーションの実施に向けて

―患者・看護師の二方面からの検討―

鎌田 渚, 渡邊 美幸, 菊田 やよい (太田綜合病院附属太田西ノ内病院)

キーワード:術前オリエンテーション、患者の不安、看護師の認識

【目的】A 病院外科病棟(以下A 病院)で実施している術前オリエンテーション(以下術前オリ)の現状について患者と看護師二方面から調査し、患者のニードに沿った実施内容と方法についての示唆を得る。【方法】外科手術を受けた患者(クリニカルパス逸脱の者を除く)と、術前オリを実施した看護師を対象に自記式質問用紙を用いて調査し単純集計を行った。所属機関の生命倫理審査会の承認を得て、対象者に研究目的・方法・倫理的配慮について口頭と紙面によって説明し調査票提出をもって同意を得た。【結果】患者26 人、看護師26 人に配布し、患者(23 人、回収率88%)と看護師(23 人、回収率88%)の回答を分析した。患者の調査結果から手術のスケジュールを1 回で理解できた21 人(91.3%)手術前に不安があった20 人(87%)不安の内容は痛みについて18 人(78.3%)手術後の生活について10 人(43.5%)病気について7 人(30.4%)入院日数について5 人(21.7%)であった。術前オリの実施を受けて不安が軽減した13 人(52.1%)軽減しなかった11 人(47.8%)であった。術前に知りたい内容は、術後の痛みについて8 人(34.8%)退院後の生活について6人(26.1%)入院日数と術後の飲食について各4 人(17.4%)術前の検査と術後の行動制限についてそれぞれ3 人(13%)であった。看護師の調査結果から術前オリの理解度について、1 回で理解できているようだった21 人(91.3%)看護師が術前オリに追加したほうが良いと思う内容については、術後のドレーンについて9 人(39.1%)術後の生活について8 人(34.8%)術後の飲食と退院後の生活について各6 人(26.1%)であった。【考察】現在の術前オリが、術前から術後にかけてのスケジュール中心の説明であり、患者、看護師も内容については理解できているとの回答であった。患者が術前に抱える不安の内容と術前に知りたい内容は同じであり、現行の内容では患者のニードは満たされていないことが明らかになった。また、現在も痛みや術後の生活について術前オリで説明しているが、患者にとってはイメージしにくい内容や表現である事が推察された。以上の事より、患者のニードに沿った術前オリの実施に向けて、患者の得たい情報と看護師が加えた方が良いと考える内容の相違を含めて検討していく事が示唆された。