第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター34群 創傷ケア①

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:遠藤 智弘

[ポスターY-34-2] 看護師のストーマケアの実践能力の向上に向けての学習会の効果

藤山 千紘, 杉山 詩歩, 末田 博子, 北村 智子 (山口県済生会下関総合病院)

Keywords:ストーマケア、看護実践能力尺度、シミュレーション

【目的】本研究は、病棟看護師のストーマケアの実践能力の向上を図るための取り組みの効果を検証することを目的とする。【方法】研究対象者はA 病棟で勤務する看護師24 名。2022 年2 月に「ストーマ看護実践能力尺度」を用いた無記名自記式質問紙調査を実施した。「ストーマ看護実践能力尺度」は、「実施」「アセスメント」「ストーマケア技術」「計画立案」「人権擁護」「評価」の6 領域、各領域4 項目、合計24 の質問項目で構成されている。回答は「0 点:思わない~3 点:そう思う」の4 段階評定尺度とし点数化した。3 月から4 月に看護研究メンバーが資料を作成した。内容は「尿路変更術の入院から退院までのスケジュール」「退院後の生活「面板交換の手技手順」「ストーマサイトマーキング」「身体障害者手帳」とした。5 月から6 月に資料を用いて学習会を行った。「面板交換の手技手順」については、ストーマのモデルを用いてシミュレーション学習を行った。学習会は1 人1 回とし、講義形式で3 ~ 4 人ずつ20 分程度で行った。7 月に学習会後の質問紙調査を行った。学習会前後の質問紙の結果を項目別にエクセル統計2010 を用いてマンホイットニーのU 検定を用いて比較した。尚、所属施設の倫理委員会の承認を得て、研究目的、匿名性等について文章で説明し同意書を作成して実施した。【結果】ストーマ看護実践能力尺度の質問紙調査結果は、学習会後21 項目で有意に上昇した(p<0.01、p<0.05)。領域別にみると学習会後、有意に上昇したのは「実施」2 項目(50%)(p<0.01、p<0.05)、「人権擁護」3 項目(75%)(p<0.01)で、「アセスメント」「ストーマケア技術」「計画立案」「評価」は全項目であった(p<0.01、p<0.05)。【考察】ストーマケアの資料を作成し、ストーマモデルを使用したシミュレーション学習会を行ったことで、ストーマケアの経験が少ない看護師の経験を積む場となり、「アセスメント」「ストーマケア技術」の全項目で実践能力が向上したと考える。今回、「実施」のオストメイトの集いやストーマ外来に関する2 項目、「人権擁護」の患者の権利擁護に関する1 項目で有意差が見られなかった。そのため、地域でのオストメイトに関する情報提供や、外来でストーマケアについて支援する。また、患者の権利擁護が図れるよう、知識と実践能力を高める必要がある。