第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター35群 創傷ケア②

Thu. Nov 9, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:小田 慈

[ポスターY-35-2] 医療関連機器圧迫創傷予防の取り組み

―介達牽引手技の統一にむけて―

浅野 美智子, 小笠原 香澄, 栗本 智子, 蝦名 恵 (十和田市立中央病院)

Keywords:MDRPU、介達牽引、チェックリスト

【目的】介達牽引において看護師の手技の違いにより医療関連機器圧迫創傷(以下MDRPU)の発生が高くなっていると考える。そこで、介達牽引手技の勉強会と他者の手技チェックを行うことで手技の統一ができるか検証する。【方法】病棟看護師17 名を対象にした。介達牽引の勉強会を実施し、その前後で看護師へのアンケートを行った。勉強会実施前後で看護師同士で介達牽引を行い、研究担当者が38 項目の手技チェックした。勉強会では包帯のずれ始めを示した写真の掲示、包帯に2/3 重なる線を引いたものを使用した。体圧測定器を用いて腓腹筋側と長趾伸筋側の固定圧測定を実施した。分析は勉強会前後に行ったアンケートと、他者チェックの結果を項目毎に単純比較した。倫理的配慮として、アンケートと他者チェック用紙は個人が特定されないよう無記名とし、提出をもって同意を得たものとした。また無記名のため提出後に同意の撤回をできないことも説明した。【結果】アンケート結果では、巻き直すタイミングについて「ずれ始め」と回答している人が勉強会後64.8%から87.6%に増加していた。包帯を巻く圧について「皮膚に沿うように巻いている」が勉強会後52.9%から68.8%に増加していた。包帯を巻く幅は「均等に巻く」が勉強会後64.7%から100%に増加していた。他者の手技チェックの結果では、全員ができていた項目が勉強会前22 項目から勉強会後34 項目に増加していた。看護師同士で巻いた包帯の固定圧は、腓腹筋側最小10.5mmHg ~最大45.5mmHg、長趾伸筋側最小10.9mmHg ~ 最大32mmHg であった。A 病院の毛細血管圧基準値は50mmHg未満のため全員が基準値内であった。【考察】介達牽引手技の勉強会では、包帯がずれ始めている写真を掲示したことで「ずれ始めから巻き直す」ことが統一され意識できたと考える。また実際に自分で巻いた包帯の固定圧を知ることで、固定圧を意識して巻くことができたと考える。包帯を巻く幅については、線を引いた包帯を勉強会時に使用したことで幅を意識して巻くことができたと考える。また他者の手技チェック38 項目で、できるようになった項目が22 項目から34 項目に増加したため、勉強会は手技の統一に効果があったと考える。このことから、手技を定着させるためには定期的な勉強会の実施と手技の確認がMDRPU の発生予防に繋がると考える。