第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター37群 看護記録、看護提供体制

2023年11月9日(木) 09:00 〜 10:00 ポスター会場 (G1-G4)

座長:上野 瑞子

[ポスターY-37-5] 「リソースナース活動支援プロジェクト」の活動実績と課題

今井 美佳1, 伊藤 まさ江2, 清水 徳子3, 田中 裕子4, 上野 恵美子5, 石井 絹子6, 井口 久子6 (1.佐久医療センター, 2.伊那中央病院, 3.訪問看護ステーションふれあい田町, 4.丸の内病院, 5.長野赤十字病院, 6.長野県看護協会)

キーワード:リソースナース活用、地域のニーズ、健康増進、システム構築、看護出前講座

【目的】A 県における「リソースナース活動支援プロジェクト」の活動の経緯と実績から、県看護協会が取り組む資格認定看護師の活用の課題を明らかにする。【方法】A 県看護協会が設置した「リソースナース活動支援プロジェクト」の4 年間の活動実績をまとめ、活動を通して得られた成果と課題について、設置目的と照合して検討する。なお、本発表内容は個人情報やインフォームドコンセント等の必要な倫理的配慮は該当しない。【結果】1.活動経緯と実績:A 県看護協会では、2019 年4 月より、リソースナースが持てる力を発揮し、地域のニーズに合った活動ができる体制を整備し、県民の健康増進に寄与することを目的として「リソースナース活動支援プロジェクト」を設置した。初年度は、リソースナースの定義の明確化と、活用及び支援する体制を構築した。活用体制としては、リソースナースを県内の資源と捉え、登録制度による人材把握を行った。2023 年4 月1 日現在、登録者数238名である。所属施設と協力した看護出前講座システムを構築し、2020 年度申込21 件・実施20 件、2021 年度申込6 件・実施5 件、2022 年度申込16 件・実施15 件で、支援側・受け側共に高評価だった。支援体制では、2020 年度より、リソースナースのスキルアップと交流を目的とした集合研修を企画し、毎年全県域から多様なリソースナースの参加が得られた。また、県看護協会としての取り組みの周知とシステムの稼働のために、全域の医療・福祉施設や公的機関に本プロジェクトの活動を案内し、各施設の看護管理者の理解を得るための広報活動を行った。2. 課題:プロジェクト設立から5 年を迎え、今後の位置づけおよびリソースナース登録システム管理の継続方法が課題となっている。また、リソースナースのスキルアップと交流を目的に魅力ある研修会企画の検討が必要である。【考察】「リソースナース活動支援プロジェクト」の活動により、A 県内に在籍するリソースナースの概要とそのニーズが把握でき、施設間の壁を越えた、地域でリソースナースが活動できるシステム作りができた。また、リソースナースのネットワークに向けた土壌づくりにもつながった。リソースナースの活用支援には、リソースナースが所属する看護管理者の理解と協力が大きな力となる。今後は、活動支援を継続するための組織化について検討が必要と考える。