第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター39群 倫理

Thu. Nov 9, 2023 1:15 PM - 2:15 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:平井 和恵

[ポスターY-39-4] A 病院看護係長による「相手を一人の人として尊重するためのチェック表」を活用した教育・指導の効果の比較検討

河合 太地, 佐藤 晶子, 寺田 佐智代 (聖隷三方原病院)

Keywords:看護係長、チェック表、教育・指導

【目的】A 病院では、相手を人として尊重し看護実践の中で丁寧に関わる人材の育成を目標に、独自に作成した9 項目の「相手を一人の人として尊重するためのチェック表」(以下、チェック表)を用い看護係長が中心となり看護職員に対する日常業務におけるケアや接遇に関する教育・指導を実施した。今回、チェック表を活用した看護職員への教育・指導の効果の比較検討を目的とする。【方法】2021 年7 月からのチェック表の9 項目を中心に患者・利用者への丁寧な関わりを看護係長自ら実践し看護職員にモデルとして示し、繰り返し1 対1 で指導した。2021 年7 月~ 2022 年11 月にチェック表を用いた直接観察によるチェックとフィードバックを、対象者に圧力がかからないよう態度に注意し看護職員1 人につき1 ~4 回実施した。2021 年~ 2022 年度チェック表を用いたチェックの結果を年度による比較検討した。所属病院看護部倫理委員会の承認(看第23-02)を得た。【結果】対象の看護職員数は2021 年7 ~ 9 月397 人、2022 年7 ~ 11 月433 人であった。チェック表の9 項目の実施率(2021 年/2022 年)は「1. 訪室時にノックしカーテン越しに声をかけ了承を得る」(77.2%/93.0%)、「2. 患者・利用者を『さん』付けで呼ぶ」(94.7%/96.3%)、「3. 患者・利用者不在時も『さん』付けで呼ぶ」(90.0%/92.1%)、 「4. 看護行為・療養上の世話( 以下ケア) をする前に行う行為について説明する」(91.0%/97.7%)、「5. 患者・利用者の前で他患者・他利用者の話をしない」(83.1%/84.5%)、「6. ケアの説明後他の選択枝を説明する」(83.6%/92.5%)、「7. ケアの説明後、患者・利用者の同意を確認する、同意を得られない場合は行為の優先度についてアセスメントする」(82.6%/94.2%)、「8. ケア実施時は肌の露出を最小限にする」(68.1%/82.2%)、「9. やむを得ず患者・利用者を看護室へ案内する場合は目的・時間を説明する」(53.9%/83.7%)であった。チェック表の活用によって、全項目に実施率が向上した。【考察】A 病院看護係長による、チェック表を用いた教育・指導は、看護職員が日々のケア場面を振り返ることができ,相手を一人の人として尊重する看護実践に有効と考える。