[ポスターY-4-5] A県における看護職の喫煙に関する実態について
―保健師・助産師・看護師・准看護師への調査より―
Keywords:看護職、喫煙、禁煙、対策
【目的】看護職のたばこ対策委員会は、看護職への禁煙支援と県民の健康を守るという看護職としての使命遂行のため禁煙アクションプランを立案し、研修会の開催、県民・教育機関への禁煙普及活動等に取り組んできた。本研究目的は、A 県における看護職の喫煙に関する実態を明らかにすることにより、今後の禁煙対策について検討することである。【方法】2022 年1 ~ 2 月にA 県内212 か所の施設・行政機関に勤務する保健師・助産師・看護師・准看護師約 7,500 人を対象に、無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容は基本属性、周囲の喫煙に関する状況、ストレス状況、喫煙に関する考え等である。データ収集は、対象施設の看護管理者・統括保健師に文書にて調査協力依頼を行い、協力の可否をGoogleフォームにて確認した。調査承諾の得られた施設に所属看護職数分の調査票セットを郵送し、配付、施設毎の回収および返送を依頼した。分析においてはSPSSⓇ Statistics ver.23 を用い基本統計量を算出した。倫理的配慮として、協力に際し拒否・中断の自由の担保、データ管理の徹底、結果公表時の個人情報保護に関し依頼文に明記した。【結果】調査承諾の得られた91 施設の看護職分5、213 部を送付し、4、205 部返送があり、喫煙状況について欠損データのない4,069 人を分析対象とした。A 県看護職の喫煙率は、11.9%( 男性30.8%、女性9.5%)と、前回調査時よりも4.5 ポイント減少した。また「勤務中の喫煙」については「あり」が35.5% であった。「喫煙者」のうち禁煙に関心があるのは52.5% で、実際に禁煙にチャレンジしたことがあるのは48.8% であったが、禁煙が続かなかった理由は「ストレス」が最も多かった。年代別喫煙状況を見ると、20 代8.2%、30 代12.1%、40 代13.3%、50 代14.7% と年代が上がるにつれて喫煙率が高い傾向が見られた。また「保健医療従事者の喫煙は好ましくない」という考えにおいて、「喫煙者」ほど「そう思わない」という考えを示す傾向にあった。【考察】A 県看護職の喫煙率は徐々に減少していることから、本委員会活動もその一翼を担っていたと考えられる。引き続き看護職としての意識への働きかけに加え、ストレスにより禁煙できないという認識を是正し、ニコチン依存症の正しい理解を促す必要性が示唆された。