第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

Presentation information

ポスター

ポスター42群 穏やかに死を迎えることへの支援

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:山谷 敦子

[ポスターY-42-6] ハイブリット形式で開催した遺族会の一考察

田邉 真由美 (第二川崎幸クリニック)

Keywords:遺族会、ハイブリット形式、グリーフケア

【目的】コロナ禍だからこそグリーフケアが必要であったとの報告がされている。A 診療所でも感染対策を講じた遺族会のあり方を検討しハイブリット形式での遺族会を開催した。ハイブリット形式での遺族会のあり方を考察する。【方法】A 診療所内倫理委員会の承認を得て実施する。研究の参加は自由意志とした。遺族会の参加者は、A 診療所がんサポートセンタースタッフが面談したことがあり、2019 年11 月~2021 年11 月の期間に緩和ケア病棟以外で逝去された患者の遺族とした。開催概要:会場参加は感染対策を配慮し遺族を2 グループに分けスタッフを1 名ずつファシリテーターとして参加した。オンライン参加は1 グループとしスタッフは2 名参加した。Microsoft Teams を利用し事前に参加用QRコードを送付した。遺族会に参加した遺族へ質問紙による満足度調査を行い分析方法は単純集計とした。【結果】参加遺族は、会場参加が5 名、オンライン参加が2 名であった。感染対策に対する不満の声はなかった。質問紙は回収率100%であった。遺族会に参加しようと思った理由として「他の遺族と話したかった」「スタッフと話したかった」は7 名全員が「そう思う」と回答した。遺族会に参加して「気持ちの整理がついた」「参加したことで辛い気持ちになることはなかった」と回答した。スタッフによる遺族会の振り返りでは、遺族は遺族自身の経験を振り返りながら共通点を見いだしたり、「他の方はどうしているのか参考にしたい」「気になること、意見を聞きたい」などの目的を持って参加していたとの気づきがあった。【考察】会場参加、オンライン参加共に他の遺族と話したいと思って参加され、参加することで気持ちを整理する助けとなっていると考えられた。会場参加の遺族はオンラインに比べ相談したい、意見を聞きたいなど目的を持って参加する傾向にあり、オンライン参加の遺族は気持ちの吐露、語りの場の意味を持つことが推察された。看取りの場ではない診療所でも遺族会開催意義はあると示唆された。遺族会のあり方として参加形態の選択肢があることは参加遺族それぞれのニーズに沿ったものとなり得た。