[ポスターY-45-4] 患者に対し陰性感情を持った看護師の思いと対処行動
Keywords:陰性感情、看護師の思い、対処行動
【目的】患者に陰性感情を持った看護師の思いと対処行動、周囲の看護師に求める支援について、経験年数で違いがあるか明らかにし、看護師間の相互理解と支援体制の検討に繋げる。【方法】A 病院一般病棟の看護師を対象にした独自質問紙法によるアンケート調査。参加は自由で個人が特定されない無記名式。調査内容は、看護師経験年数、陰性感情経験の有無、陰性感情時の思いと対処行動、陰性感情に悩んだ時に受けている支援と受けたい支援。各項目を単純集計し、経験年数1 ~ 3 年目、4 ~ 10 年目、11 年~ 20 年目、21 年目以上の4群で比較、Kruskal-Wallis 検定を行った。【結果】アンケートは279 人に配布し208 人が回答した。患者に陰性感情を持った人は205 人(98.6%)だった。陰性感情時の思いで多かった項目は、患者にも非がある(89.7%)職業柄仕方ない(87.3%)だった。経験や知識不足で落ち込む、仕事継続への不安があると答えた人は、経験年数1 ~ 3 年目より21 年目以上が約20% 少なかった。陰性感情時の思いで特に有意差0.01 以下の項目は、職業柄仕方ない、知識経験不足で落ち込むだった。対処行動で多かった項目は、その後の言動に注意する(99.5%)話し方や伝え方を変え患者を落ち着かせる(97.1%)患者の思いを聞く(96.1%)だった。出来事について患者と話し合うと答えた人は、経験年数1 ~ 3 年目より21 年目以上が約15% 少なかった。対処行動で特に有意差0.01 以下の項目は、状況を客観的に捉える、感情を人に話す、割り切るだった。受けている支援で多かった項目は、思いの共感(96.6%)傾聴(93.7%)、受けたい支援で多かった項目は、思いの共感(31.3%)傾聴(23.1%)だった。【考察】陰性感情を持った看護師は9 割以上と多く、知識や経験不足など自己の能力に悩みながらも、患者にも原因があると割り切っていた。知識や経験不足による落ち込みは経験年数が増すごとに減少し、その心理状態が仕事継続への不安を低下させると考えられた。対処行動は、言動に注意し患者を落ち着かせる行動が多かった。患者との話し合いは経験年数が浅い程行われていた。陰性感情に悩んだときに受けている支援と受けたい支援は思いの共感と傾聴で一致した。共感による感情緩和に止まらず内省に繋がる支援をするには、日常的な振り返りの場が必要と考えられる。