第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター46群 看護職の心の働きとその対処④

Thu. Nov 9, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:北田 なみ紀

[ポスターY-46-3] 入職後1 年目の看護師の生活変化におけるストレスと乗り越えた要因

宮村 竜也1, 平井 優香1, 東山 つかさ1, 野村 瑠唯1, 上野 栄一2 (1.富山市民病院, 2.奈良学園大学保健医療学部)

Keywords:生活変化、ストレス、新人看護師

【目的】新人看護師の多くは、勤務による時間制約によりこれまで行えていた生活習慣の変容も余儀なくされる。そこで看護学生から看護師となり、就職して1 年間の生活変化におけるストレスの要因を振り返り、生活環境の変化と向き合いながらそれぞれが行ってきたストレスへの対策を明らかにし、今後の新人教育に役立てたいと考えこの看護研究に取り組むこととした。【方法】A 病院の一般病棟に勤務する卒2看護師8 名を対象とした。データ収集は半構造化面接法を用いて実施した。倫理的配慮:研究の目的、個人が特定されないように配慮すること、研究以外の目的に使用しないことを口頭・書面で説明し、研究参加の自由意志を尊重することを保証し同意を得た。【結果】全対象者のデータから69 のコードが抽出できた。類似性を検討した結果、16 のサブカテゴリーに分類することができた。さらに分析した結果、〈経験、知識不足による未熟さから生じる不安や苦悩〉〈不規則勤務が及ぼす心身への弊害〉〈生活リズムの変化からくる体調の崩れ〉〈ストレスコーピング低下〉〈仕事時間外でのリフレッシュ〉〈大切な人の支えからの成長〉〈経験が自分を育てる〉の7つのカテゴリーが生成された。【考察】新人看護師には生活スタイルの変化への順応や看護技術取得における苦悩やストレスが存在することが分かった。その不安な思いを吐露する場が少なく、先輩看護師達の存在が重要な役割を担っていることを把握する事が大切である。その上で、病棟全体でサポーティブな雰囲気作りを心掛けることが必要であり、それらが新人看護師の成長へのきっかけに繋がると推測する。心の内を話せる仲の良い同期や先輩に相談することが新人看護師の限られたストレスコーピングの一つになっていると考える。また、家族の存在が大きく家庭が心安らげる場として新人看護師の支えとなり、仕事への意欲維持・向上、成長へ繋がると推測する。就職して1 年経ったことにより、知識量や技術面で自信をもって行えることが増えることで、「できない」という不安から起こるストレスを減少させる他、1 年間を通してこなせることが格段に増えた成功体験が自信に繋がり、精神的安心感をもたらすのではないかと考える。新人教育を行うにあたり、年齢や立場に関わらず自分の思いを話しやすく、新人の自主性を尊重した環境作りを職員全体で行い、能力を発揮できるようサポートが必要である。