[ポスターY-46-4] 新人看護師のこころの動きに添った支援を目指して
―“ 本音が書ける” こころのサポート管理シートの活用―
Keywords:新人看護師、居場所、こころのサポート管理シート
【目的】新人看護師を育成する際に大切なことは、新人看護師の心身が安定し、職場に居場所があると感じられることである。そこで、新人看護師が抱える不安に対応するために、こころのサポート管理シートを作成し活用した。今回、新人看護師がこころのサポート管理シートをどのように活用していたか明確になったため報告する。【方法】対象:こころのサポート管理シート(心身に関する選択制質問12 項目、抱えている困難など記述制質問7 項目を新人看護師が1回/月記載し、教育担当者が回収箱より回収)を記載した20XX 年4 月~ 20XX 年+2 年3 月までの新人看護師111 名。期間:20XX 年4 月~ 20XX 年+2 年3 月。方法:各年度末にこころのサポート管理シートの必要性や活用方法に関するアンケートを実施した。データは単純集計、自由記載は内容分析を行った。研究に際し、対象者には、個人が特定されることがないこと、不利益は生じないことを口頭・書面で同意を得た。なお、本研究は、所属機関の倫理審査の許可を得ている。【結果】アンケート結果より、こころのサポート管理シートが必要と考えている新人看護師は、20XX 年と20XX+1 年が94%、20XX+2 年が98%だった。その理由は、「つらい時に思いを表出する場になる」「自分が困っている時の助けを求める手段の一つになる」「書くことで自分の悩みが分かる」「気づいてくれる人がいるのが心強い」等だった。また、素直な気持ちで記載出来た人は、20XX 年が81%、20XX+1 年が86%、20XX+2 年が98%だった。その理由は、「特定の人が見るもので情報が漏れない」「今不安に思っていることを知ってもらいたい」「自分を見つめ直すことができる」等だった。【考察】新人看護師は、普段言葉にできない不安や悩みを抱えている。そのため、安全性が高く書きやすいと認識しているこころのサポート管理シートを不安の表出の機会として捉え、振り返りや他者にサポートを求める場として活用していた。約9 割の新人看護師が素直な気持ちを記載できていたことから、こころのサポート管理シートは、新人看護師の本音が記載できたシートだったと考える。また、新人看護師の心身の状況が把握しやすいため、面談などの支援にも繋げられる。今後も、新人看護師のこころの動きに添った支援をする方法の一つとして、こころのサポート管理シートを活用していきたい。