第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター46群 看護職の心の働きとその対処④

2023年11月9日(木) 10:30 〜 11:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:北田 なみ紀

[ポスターY-46-5] 新卒訪問看護師の同行訪問を行う先輩看護師の困難

東本 裕美 (セコム医療システム株式会社訪問看護ステーション)

キーワード:新卒訪問看護師、同行訪問、困難

【目的】訪問看護ステーションで、新卒訪問看護師と同行訪問を行う先輩看護師の困難を明らかにすることで、今後の新卒育成体制の整備に役立てる。【方法】1.研究期間:2022年10 月~ 12 月 2.対象:新卒訪問看護師の同行訪問を行っている訪問看護ステーション管理者から推薦を受けた先輩看護師6 名。3.方法:1)インタビューガイドを作成し、対象者に半構造化インタビューを行った。2)録音したデータを逐語録に起こし類似性のあるもので分類した。4.倫理的配慮:管理者と対象者へ研究計画書に基づき目的・方法等を示し、データ等の取扱い、研究結果への活用方法などについて説明を行った。あわせて、研修参加の自由意志、参加による不利益や負担、参加中止の権利、匿名性の保障等について説明し、同意書に署名をもらった。【結果】インタビュー結果より、新卒訪問看護師と同行訪問を行う先輩看護師の困難は、<時間がない>同行訪問後に振り返りができない、他に同行している看護師と状況や考えを確認・共有できない。<自分の説明・指導に自信がない>学びを深めるような働きかけができない、自分の言い方や伝え方でよいのかわからない。<進捗や評価が難しい>何がどこまで出来ているのか把握が難しい、在宅は多様な事例や状況であるため簡単に「出来るようになった」との判断が難しい。<看護技術以外に伝えることが多い>利用者ごとのルールやマナーを知っておく必要があるがそれが新卒の焦りや混乱を招く。<指導の時機を逸する>利用者や家族が不安になるため訪問場面で注意できない、新卒の立場を考えてその場で注意しないがあとからでは伝わらない。であった。【考察】新卒訪問看護師に同行訪問を行う先輩看護師への困難から、1.同行訪問では、振り返りも含めた時間の確保を行うこと。2.同行訪問を行うスタッフでの情報共有の場を作り、育成状況の確認・共有を行うこと。3.管理者は同行者が何に困っているかを把握し助言を行うこと。が有効であると考えられた。その上で管理者は、同行者からの新卒への指導内容が新卒の成長段階や状況にあっているか、過小や過度になっていないかを定期的に評価する必要があると考えられた。この結果は、新卒訪問看護師の同行訪問を行う看護師のサポートや、新卒訪問看護師の育成プログラムの評価・修正等の資料として活用する予定である。