第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター47群 基礎教育

2023年11月9日(木) 13:15 〜 14:15 ポスター会場 (G1-G4)

座長:永谷 智恵

[ポスターY-47-4] 「臨床判断演習1」の学習目標の到達度と筆記試験の成績との関連(第2報)

久保田 恵美1, 関野 恭子1, 三澤 千夏1, 稲葉 結美1, 西村 礼子2 (1.富士市立看護専門学校, 2.東京医療保健大学)

キーワード:看護基礎教育、臨床判断、学習目標

【目的】「臨床判断演習1」の学習目標の到達度(学生の自己評価)と筆記試験の成績との関連性を明らかにする。【方法】対象:A 看護専門学校(3 年課程)令和4 年度1 年生40 名、研究期間:令和5 年度1 月~ 3 月、調査方法:質問紙調査法、「臨床判断演習1」授業終了後、科目の学習目標アンケート調査実施、「とてもそう思う5 点」「そう思う4 点」「どちらともいえない3 点」「そう思わない2 点」「全く思わない1 点」とした。学習目標の到達度と筆記試験の成績との各項目の関連をみるため、Pearson の積率相関係数を実施し、有意水準はp < 0.05 とした。統計解析はIBM SPSS Statistics28 を用いて分析した。倫理的配慮として、調査は無記名で自由意思であり成績に影響しないことを、口頭および書面で説明した。【結果】40 名中、同意が得られた33 名を統計分析対象とした。各項目の平均値(M)は「理解度:臨床判断がわかったと思う」M4.3(標準偏差値0.54、以下± 0.54 と標記する)、「目標1 情報収集ができ状況を知覚的に把握できる」M3.5(± 0.62)、「目標2 情報の優先順位を決定、情報の意味付けをし、看護介入の方向性を考えられる」M3.5(± 0.71)、「目標3 状況に対して適切な看護介入を決定し行動できる」M3.5(± 0.67)、「目標4 看護活動に対する患者の反応に関心を向け、評価・修正ができる」M3.8(± 0.61)、筆記試験の成績はM74.87(± 9.27)だった。筆記試験の成績に対する「理解度」に関してはp=0.02、Pearson の相関係数0.40 と弱い相関があった。学習目標1234 に関しては p > 0.05 であり、相関は認められなかった。【考察】「理解度」と成績は弱い相関があったことから、臨床判断がどのようなものか理解できた学生は、筆記試験の成績は高かったといえる。学習目標と成績での相関がなかった理由は、1 年時の学習目標として難易度が高かったと考えられる。演習事例内容に未履修の内容があり、提示した事前学習内容も適切ではなかった。また、筆記試験の出題内容が知識に偏り、臨床判断を問う内容ではなかったことも相関がみられなかった要因だと考える。このことから学生のレディネスと履修状況を踏まえた、学習目標と演習内容、提示する事前学習内容、筆記試験内容の修正が必要である。