[ポスターY-47-5] 「臨床判断演習１」の学習目標の到達度と学習意欲の関連（第1報）
Keywords:臨床判断、看護基礎教育、学習意欲
【目的】保健師助産師看護師学校養成所指定規則第5 次カリキュラム改正は2022 年度から開始された。改正の要である「臨床判断演習1」の学習目標の到達度と学習意欲の関連を明らかにすることで、授業の成果と課題を考察する。【方法】対象：A 看護専門学校（3 年課程）令和4 年度1 年生40 名、期間：令和5 年1 月～ 3 月、方法：質問紙調査法、3 月「臨床判断演習1」授業終了後アンケート調査実施、「とてもそう思う5 点」「そう思う4 点」「どちらとも言えない3 点」「そう思わない2 点」「全くそう思わない1 点」とし、最後に記述回答欄を設けた。学習目標の到達度と学習意欲それぞれの関連をみるためPearson の積率相関係数を実施、有意水準p < 0.05 とした。統計解析はIBM SPSSⓇ Statistics28 を用いた。倫理的配慮として、調査は無記名で自由意思であり成績に影響しないことを、口頭および書面で説明した。【結果】40 名中、同意が得られた33 名を分析の対象とした。各項目の平均値は「目標1 情報収集ができ状況を知覚的に把握できる」3.5（標準偏差値0.62、以下± 0.62 と標記する）、「目標2情報の優先順位を決定、情報の意味付けをし、看護介入の方向性を考えられる」3.5（± 0.71）、「目標3 状況に対し適切な看護介入を決定し行動できる」3.5（± 0.67）、「目標4 看護活動に対する患者の反応に関心を向け、評価・修正できる」3.8（± 0.61）、「意欲1 積極的に参加した」4.6（± 0.49）、「意欲2 他学生が受けた質問も真剣に考えた」4.6（± 0.50）、「意欲3 授業者の意見や考えに対し真剣に考えた」4.6（± 0.51）、「意欲4 毎回の授業を振り返り不明点や疑問点を確認できた」4.2（± 0.60）だった。「臨床判断演習１」の学習目標1 ～ 4 それぞれに対する学習意欲1 ～ 4 に関して、いずれもp > 0.05であり、相関は認められなかった。【考察】相関がなかったことから、本授業において学習意欲が必ずしも授業の到達に関連しないことが分かった。学習意欲の高さは本授業の成果だと考察できるが、学習の到達度の評価のためには学生のレディネスや他科目の到達度との関連、目標の設定、学生に応じた指導方法など他の要因の分析も必要だと考える。