第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター48群 継続教育①

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:國江 慶子

[ポスターY-48-2] 新人看護師技術チェック表の達成度からみる技術習得の現状

長澤 静代 (相模原協同病院)

Keywords:新人看護職員ガイドライン、新人技術チェック表、到達度評価

【目的】「新人看護職員ガイドライン」に基づき、新人看護師の技術チェック表(以下チェック表)を作成し、看護師教育に使用しているがこれまで技術到達度に関する調査は行われてこなかった。そこで2020年度からの3年間のチェック表を検証し新人看護師の技術到達度の現状を明らかにしたいと考えた。【方法】2020年度から2022年度までの3年間、79名分のチェック表から大項目13項目、その下位項目の中項目23、小項目363の到達度を算出した。指導者評価ができるとしている項目を自立とし、年度別に単純集計を行い3年間の比較を行った。【結果】使用したチェック表の内訳は2020年度11名、21年度26名、22年度42名分であった。到達割合が高いのは、大項目の休息・活動援助で2020~22年度のいずれも70%以上が自立となった。次いで清潔・衣生活援助でいずれの年度も60%以上が自立、3番目は環境調整で55%以上が自立であった。到達度の低い大項目は救命処置ですべての年度で0%で、次いで大項目与薬の中項目薬剤管理が10%未満であった。各大および中項目内の小項目にある準備や患者確認、片づけなどは80%以上が自立していた。どの年度の到達度も項目別にみると同じような傾向を示したが、到達度が50%を超える大項目は2020年度で6、21年度が4であったが、22年度は2と少なかった。【考察】到達度の高い休息・活動援助、清潔・衣生活援助、環境調整はどのような患者に対しても実施する機会があり、かつ比較的患者への侵襲が少ないため、新人看護師が実施する回数が多いケア項目である。このためこの3項目の達成度が高いと考えられる。2022年度での到達度項目が少なかった理由として、22年度から3か月間のトライアルローテーション研修を導入し、部署への正式配属が7月となった影響が出ていると推測される。ガイドラインでは1年以内に到達を目指す項目の目安が明記されており、項目によっては指導の下できる、知識としてわかると示されている。チェック表もこれに合わせて大項目や中項目の自立の時期を設定して明記すること、さらに技術の自立まで継続して活用できるよう改定を検討していく必要があることが示唆された。